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2017年4月23日 (日)

『バッハ・古楽・チェローアンナー・ビルスマは語る』その2

続きです。

こうして、ブリュッヘン、レオンハルト、ビルスマのトリオが結成された。レオンハルトがリーダー格だったが、どうしても納得がいかないとあえて指示を無視した。するとレオンハルトは「そう、それが僕のやってほしかったことだよ!」
レオンハルトはセンスもよく知識も豊富だったが、ベートヴェンやロマン派の音楽は嫌いだった。この点は後にはロマン派も指揮したブリュッヘンと好対照である。
この当時ビルスマは17世紀イタリア・チェロ音楽が大好きだった。3人で行う演奏会でビルスマはしばしばドメニコ・ガブリエッリやヤッキーニを選んだのだが、ブリュッヘンとレオンハルトは嫌いで「また、そういう曲やるの?つまんないよ」と言われたとのこと。ここで爆笑してしまったのだが、それは僕が以前にビルスマの17世紀チェロ音楽のCDを買って何度か聞いたことがあるからだ。その時には、まさにブリュッヘンやレオンハルトと同じであんまり面白くないなあと思ったのだった。しかし今回聞き直してみると案外面白いのである。おそらくは評者(私)が近年バロックオペラを熱心に聞くようになり、最も日常的に聞く音楽が19世紀から18世紀にシフトしたことと関係するのかもしれない。つまり、音楽的感性は、変わりうるのだ、当然といえば当然だが。時代によって音楽語法が変遷するので、自分が親しんでいる時代から遠い音楽は、耳馴染みがない(いわゆる現代音楽は最大の例外で、同時代なのに多くの聴衆にとって耳に馴染んでいないという状況があるわけだが)。しかしある時代の音楽を集中的に聞き込めば、その前後の時代の音楽は聴きやすくなる。
レオンハルトは、ビルスマがガブリエッレなどを弾いているときに、ほんの数分なのに椅子をガタガタさせたり、咳をして演奏の邪魔をしたという。
まあ、こうしたエピソードが次々に語られる。
夫人(ヴァイオリニストのフェラ・ベッツ)との出会いもアイロニーに満ちている。

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