バリトンという楽器
バリトンといえば通常はある音域の歌手をさすが、最近テレ
ビでヴィオラ・ダ・ガンバの一種であるバリトンという楽器
を見た。
これは、イタリア語ではヴィオラ・ディ・ボルドーネという
らしい。
テレビというのは、NHKのドイツ語番組で、旅するドイツ
語という。2016年度からイタリア語もスペイン語も旅する
〇〇語という風にタイトルが変わったのである。タイトルの
変化に応じて、それぞれの語学の地に行ってオールロケにな
っている。旅するドイツ語の場合は、ヴィーン及びその周辺
の町が舞台なのだが、その中で、エスターハージ宮殿が紹介
され、その宮殿を建て、ハイドンの雇い主であったエスター
ハージ侯爵に言及があった。調べてみると、ドイツ語だとエ
スターハージでハンガリー語だとエステルハージのようだ。
名前もドイツ語ではニコラウスだしハンガリーだとミクロ
ーシュ。この侯爵がバリトンという楽器が好きで、ハイドン
は彼のために約160もの曲を作った。
バリトンはヴィオラ•ダ・ガンバに似ていて床につけずに膝
に抱えて弾くが、棹(ネック)の裏に共鳴弦があるところが
大きく異なる。表の弦を弾きながら、裏の弦をはじいてもよ
いのだ。共鳴するので表の弦だけ弾いた時にも音色、響きは
独特である。
興味を持って4枚組のCDを買ってみた。ほとんどがヴィオ
ラ、チェロとのトリオ(三重奏)なのだが、中には八重奏の
曲もある。また、トリオには主題がキラキラ星を用いている
曲もあった。曲は概ね親しいもの同士の打ち解けた会話とい
った風情で、激しく攻めるような曲ではない。
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