《トスカ》
プッチーニの《トスカ》を観た(パリ、バスティーユ)。
前項に記したように、パリのオペラ座には2つの劇場があって、バスティーユはあのフランス革命のバスティーユ監獄の跡地に建設され革命200年の1987に開場した劇場である。
20世紀後半の新しい劇場らしく中の雰囲気は、どこか空港のロビーを思わせる雰囲気だ。現代的。
トスカは、ハルテロス。カヴァラドッシがアルバレス。スカルピアがターフェル。演出は割合オーソドックスだったが、最後の場面がサンタンジェロ城ではなくて、郊外の野原のような場所になっていた。
カヴァラドッシを拷問する場面で、途中でトスカが「歌に生き、恋に生き」を歌っている間、部屋に相当する空間が壁に仕切られていて、その後ろをぐるっとまわってくるのはなかなか良い工夫だと思った。トスカの歌の間、スカルピアは手持ち無沙汰なのだから。
ハルテロスは声はとても通るしきれい。アルバレスも滑らかさもあるし、表情づけも見事だし、今本当に油がのりきっているのだと思う。ターフェルもいやらしい役柄を演じきっていた。
アルバレスはこの美声を通常のレパートリーだけでなく、意欲的なプログラムにもチャレンジしてくれればと思った。
指揮はエッティンガーで、テクスチャーの見通せる音作りだった。
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