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2016年9月 6日 (火)

ベルリオーズ 《ロミオとジュリエット》

ベルリオーズの劇音楽《ロミオとジュリエット》を観た(ベルリン・ドイチェ・オーパー)。

ドイチェ・オーパーは初めて行ったが、いかにも第二次大戦後に建てられた縦横の直線で構成された空間が支配する劇場。椅子の背が案外低いのが印象的。客席数は多くない。新国立で言えば、中劇場よりは大きく、大劇場よりは小さい。
このベルリオーズの合唱・独唱つき劇的交響曲というのは、相当に奇天烈なものであった。オリジナリティーは高いが、料理も演出も音楽も、オリジナリティーが高いということは、リスクをとって挑んだ料理、演出、作品ということが言えるだろう。
大まかに言えば、最初と最後には合唱や独唱が入り、中間は管弦楽のみで演奏される。ただし、バレエはずっと出ずっぱりで踊られている。この作品の上演が極めて珍しく、僕は初めて見たので、バレエがずっと舞台で演じられているのが原曲の指定によるのか、今回の上演の演出家たちがそう決めたことなのかはわからない。
振り付けは明らかに現代のもので、カクカクした動きの部分や、舞踏を思わせる部分、クラッシックバレエ風な部分が混在していた。バレリーナは大勢いて、大半は白人女性であったが、ジュリエット役は黒人女性であった。周りの白人女性が大柄なのに対し、ジュリエット役の人は小柄なのでとても区別はしやすかった。
前半は、独唱者(メゾソプラノ)と言っても状況を説明する語り部のような人物。後半に出てくる独唱者がロレンス神父でバリトン(バスバリトン?)。合唱はレチタティーヴォも多く、独唱者の歌もアリアというのとは異なる。
ロミオとジュリエットという非常によく知られたストーリーを持ちながら、この曲自体はよく知られていない理由もそれなりに分かった。曲の構成がオラトリオ的で、アリア的な魅力がない。ロミオもジュリエットも独唱者としては出てこない。本当にオリジナリティは高いのだが。。。

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