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2016年9月15日 (木)

《セビリアの理髪師》

ロッシーニのオペラ《セビリアの理髪師》を観た(ロイヤル・オペラ・ハウス)

指揮はヘンリク・ナナシ。キビキビした指揮だが、オケや歌手がついてこない時がある。そこから推測できるかもしれないが、二重唱、三重唱は、よく言えば、演劇性に重きを置いており、音楽的にアンサンブルの妙を聞くことはやや難しい状況だった。
アルマヴィーヴァ伯爵は、ハビエル・カマレーナ。終幕の長大なアリアも含め健闘。ロジーナはダニエラ・マックという人でこの人はとても個性的な声。普段のフレーズからものすごくビブラートがかかる。力強い声が上から下まで出ることは出るのだが。
フィガロは、ヴィート・プリアンテ。彼は歌に様式感もあって、伸びやかな声を聞かせていた。バルトロのホセ・ファルディラは、レチタティーヴォがとてもうまい。言葉もはっきり聞き取れるし、感情表現もこちらに的確に伝わる。演技もなかなかのものであった。
こちらも、重唱が今一歩。第一幕のフィナーレでも、人数が多くなっても、アンサンブルが整いつつ綱渡りする感じがスリリングなのであって、アンサンブルが成り立っていなければ、極端に言えばガチャガチャするだけだ。テンポ感、様式感がそろうことも必要だろう。フィオリトゥーラの転がし方は昔より上手くなったわけだが、アンサンブルは。。。といったところで無い物ねだりなのだろうか。

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