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2016年9月 9日 (金)

ディケンズ博物館

ディケンズ博物館を訪れた(ロンドン)。

ディケンズ博物館というのは、チャールズ・ディケンズの旧居に彼の使用した家具や手紙などを展示している施設である。ここにもオーディオガイドはある(日本語なし)。
驚いたのは、この家は一軒家ではないが、地下、地上階(日本風に言えば一階)、一階、二階、屋根裏があり全部を使っている。使用人も4人いた。これが20代で彼が手に入れた(賃貸ではあるが)家なのだ。地下は使用人が使うキッチンやワインセラー。地上階にはお客をもてなす食堂。一階に客間、書斎。二階に寝室。屋根裏は子供の寝室及び使用人の寝室。
ディケンズは決して貴族や富裕層の出身ではない。それどころか、父親は借金を払えずに、債務者監獄に入れられたのだ。その借金を返すために12歳のディケンズは働かねばならなかった。それは彼が誰にも、自分の子供にすら語らなかった屈辱的経験だった。ディケンズの祖父母は使用人だったのだ。そこから彼は独力でご主人様になったのである。
この社会階層の跳躍ぶり(少なくとも住居に関して)は、現代の日本で考えると、作家と言うよりは、売れっ子の芸能人に近いだろう。つまり、ディケンズの時代、テレビもラジオも映画もインターネットもないわけで、娯楽の中心は、芝居と小説だった。ディケンズは熱心に芝居を見る人であり、家には大きな鏡があって、執筆中にはいろんな顔つきをして登場人物を思いついたり、その人物になって、また机に向かうという書き方をしていたという。
ディケンズは妻以上に妻の妹(若くして死んでしまう)を愛しており、彼女の墓に埋葬して欲しいと彼女の死後何年も経過してからも言っているし、またもう一人の妹にも思いを寄せ、妻とは別れて、義理の妹と暮らしていたのだった。
知らなかったのは、ディケンズが著作権の確立に熱心だったこと。アメリカ旅行の際にも国際的な著作権を訴え、アメリカの聴衆に単なる欲張りと誤解を受けたりしている。

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