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2016年8月23日 (火)

リヒャルト・ヴァーグナー博物館

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リヒャルト・ヴァーグナー博物館に行ってきた(バイロイト)。この博物館は3つの建物から構成されているが、メインの館は、ヴァーグナーが生前住んだ最後の家である。そのほか向かって右側に息子ジークフリートの家があり、向かって右側に2015年に竣工したモダンな建物がある。
右側の建物にチケットオフィスがあり、そこでオーディオガイド(ドイツ語はもちろん英語はあるが、日本語はない)を借りた。1Fでは特別展で写真展があった。
地下が常設展であると思われる。ここには過去のバイロイト音楽祭で使用された衣装や舞台セットの模型が飾られている。衣装では1890年代のものもあった。1970年代の衣装までは、リブレットから想像される人物像(神であったり、神と人の間の子であったり、英雄的戦士であったり)と衣装がかみ合っている。現在は良かれ悪しかれ、ヴォータンがギャングの親分のような格好をしていたりするわけで、演出のコンセプトの解説なしには、なぜこれが丸々の衣装であるか理解できない状態が常態となっているわけだ。
また、バイロイトで振った指揮者の顔写真がずらっと並んでいるコーナーがあったが、案外、イタリア人指揮者もいる。トスカニーニやデ・サバタだけでなく、エレーデ(日本でドニゼッティの《愛の妙薬》の超名演を披露した)もバイロイトで一度振っているのであった。
また、デジタル化した博物館として面白かったのは、大きな液晶画面にスコアが映し出され、レコードがかかっているのだが、今演奏されている部分がスコアを縦方向に帯状で明るくなり、それが演奏と共に右方向に動いていく。スコアは実物大より拡大されている。いろんな曲がかかっているようだが、僕は《神々の黄昏》のフィナーレを流れゆくスコアを見ながら聞き圧倒された。画面上には、ラインの黄金のテーマといった注もドイツ語ではあるが演奏される部分で浮かび上がってくるので、フィナーレの部分でこれまでの様々なテーマが錯綜しながら回想されるさまが手に取るようにわかる、わからせてくれる。
本館に行くと、一階はおおむねヴァーグナーの生前のサロンがそのままに保全されている(壁紙などは変わっているが)。入って最初が吹き抜けの空間でここで小規模演奏会をしたのだというが、人の話し声を聞いて判断する限り、とても反響が豊かだった。奥がサロン兼仕事部屋。
二階にはヴァーグナーが普段着ていた服や自筆の楽譜(草稿を含む)があり、驚くほど小さな判型に小さな楽譜を几帳面に書き記していたのだと知った。ルートヴィヒにあてた手紙なども細かい小さな字でびっしりと書かれている。あらためて紙が貴重だったのだと思う。
家系図にあてた部屋もあった。ヴァーグナーも妻コジマも、ヴァーグナーの母親も複数回結婚しているので、横に広い系図なのであった。
左がわの息子ジークフリートの家にはヴィデオがあって、ジークフリート一家とナチス政権、ヒトラーの関係、とりわけジークフリートの妻ヴィニフレートが政権と親密であった事などが写真とともに紹介されていた。
本館の裏手にはヴァーグナーの墓がある。

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