《イタリアのトルコ人》
《イタリアのトルコ人》を観た(ロッシーニ劇場、ROF).
演出はリヴァモア。指揮はスカップッチ。
セリムがアーウィン・シュロット。フロリッラがペレチャツコ。夫ジェロ二オがアライモ、詩人(リブレッティスタ)プロスドーチモがピエトロ・スパニョーリ。
リヴァモアはフェリーニの映画を彷彿とさせる色々な仕掛けを駆使していてそれは判るし、これだけの歌手が揃っているのも大変贅沢なことだということを断っての上だが、3年前の《アルジェのイタリア女》(これも演出はリヴァモア)と比べると面白さは弾けない。シュロットは声量は圧倒的に豊かだし、アライモも早口のところもきっちり回っているのだが、エスポジトのような可笑しみに欠けるところが残念ながらある。喜劇は難しいのだということがよくわかった。
また、アンサンブルが乱れるところが時々あって、ロッシーニの目の回るような重唱、コンチェルタートはアンサンブルがきっちり合っていてその上でめまいのような感覚を味わう快感があるのであって、アンサンブルがバラバラになりかけているとめまいの快感ではなく、ハラハラするということもわかった。指揮は勢いはあるのだが、少し荒っぽいのだった。
レベルは高いのだが、決定的な弾ける面白さまでは到達しきれなかったとても惜しい演奏だった(すごい贅沢な文句のつけようで恐縮であります)。
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