Il templario 3
オットー・ニコライのオペラ《Il templario》を聞いた。2度目である。(ザルツブルク祝祭大劇場)。
舞台で観るのは初めての演目(と言っても演奏会形式だが)だったので、二回目でようやく理解できた部分もあった。
指揮に関しては不満は残った。ベルカントオペラ的な曲想のところで全く軽さがなく、オケをフォルテで鳴らしまくる。テンポがあまりにも遅く、音楽の推進力が枯渇するところがなんどもあった。
レベッカ役の女性歌手はよく歌っているのだが、アジリタにやや難があった。
ブリアーノ役のルカ・サルシが健闘。フローレスは前回よりも、力強く声を張り上げて、圧巻。
チェドリーコやグランド・マスター役も良かった。低声がこれだけ充実しているのは頼もしい。
このオペラには二重唱、三重唱の掛け合いが何箇所かあるのだが、そこでのテンポを上げ、軽快にすれば、もっと音楽が沸き立ち、ワクワクするものになるだろうと思った。
一般的に言えば、軽さや様式感や均衡(微妙なバランス)と言ったものが評価されにくく、大音声で、どうだ!と言わんばかりに鳴り響かせることの方が、喝采を浴びることになりがちなのは残念なことだ。もっともこれは会場や客層によるのだと思うが。。。
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