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2016年5月 6日 (金)

《失われた美》

ピエトロ・マルチェッロ監督の《失われた美》を観た(イタリア映画祭2016).
とても変わったロードムービーである。というのも自動車ではなく、水牛がプルチネッラに連れられて旅をする話なのだ。しかも子牛であった水牛はだんだんと成長して大きくなっていく。
しかし枠組みとしては、カゼルタという土地の問題が提示される。カゼルタはカモッラが支配する土地で、王宮があるのだが、王宮やその周辺に産業廃棄物が捨てられたりしていたのだ。王宮をきれいにしようとするトンマーゾがまず水牛の飼い主で、彼が死んでしまったのちプルチネッラに引き継がれる。
ややぎくしゃくとした語り口なので、最初は何がどうなっているのかわかりづらいのだが、やがて水牛はプルチネッラと口がきけるのだということが分かる仕組み。プルチネッラが仮面をはずすとコミュニケーションは不可能になってしまう。
カゼルタの抱える現在の問題と、おとぎ話的な設定が併存し、なまりの強い言語で語られる。
個人的にはとてもおもしろい映画だった。

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