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2016年4月29日 (金)

《ジークフリート》

ヴァーグナー作曲のオペラ《ジークフリート》を観た(東京文化会館)。

東京・春・音楽祭のプログラムの1つである。演奏会形式でオーケストラはNHK交響楽団。指揮はマレク・ヤノフスキ(敬称略、以下同様)。
第一幕が特に良かった。ジークフリート役のアンドレアス・シャーガー(テノール)は役に入り込んでおり、身振り手振りもまじえ熱唱。ミーメのゲルハルト・シーゲル(テノール)との掛け合いもよく、シーゲルも充実した歌唱だった。こうなると演奏会形式というのはまことに残念で、せめてセミステージという形はとれなかったのだろうかと思う。
日本には能狂言というお手本がある。舞台装置は最小限、象徴的なものでよい。ただし、歌手の服装は燕尾服やタキシードではなく、なんらかの舞台衣装にしてもらえば、それによってニーベルングの指環の世界に没入できるであろう。
この日は、田尾下哲による映像があり、これは控えめで演奏への集中をさまたげることがなく必要にして十分で良かった。オペラを理解したうえでサポートしようという姿勢が大変好ましい。
ヴァーグナーは歌手と同等かそれ以上にオーケストラがものを言う。NHK交響楽団はさすがである。演奏会形式なので、オペラなのだが、オーケストラピットではなく、ステージ上にオケはいるので音はこもらず、会場に鳴り響く。響き、音量ともに堪能した。指揮もモダンできびきびとしていてよかった。

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