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2015年8月15日 (土)

《ランスへの旅》

ロッシーニのオペラ《ランスへの旅》を観た(ペーザロ・ロッシーニ劇場)。

毎年若手の公演として上演している演目である。今年の歌手のレベルは高かったと思う。と同時に、歌手の国籍・人種が例年より一層多様になっていた。ベルフィオーレを歌った南アフリカ出身の黒人テノール、サニーボーイ・ドラドラやリーベンスコフのXiang Xu (中国系と思われる)、ドン・ブルデンツィオのShi Zong(同じく中国系か).
14日にはモデスティーナで17日はフォルヴィル伯爵夫人を歌う日本人のなかまちかおり。男性のバスにはカザフスタン出身のものもいて多彩である。彼ら、彼女らが歌の様式をあわせて歌い上げるのは不思議といえば不思議だ。
指揮者はマヌエル・ロベス・ゴメス。カラカス(ベネズエラ)の出身。やや硬いというか、強引にひっぱるところがあった。
ドン・プロフォンドのアリアでフランス人やドイツ人、イギリス人などの発音をカリカチャライズする有名な曲があるが、パブロ・ルイスはロシア人のところで歌詞がふっとんでしまいしばらく無言で手をあおいだりしていたが、イギリス人を飛ばして再開した。この公演にプロンプターはいないことがわかったが、さぞ恐ろしい体験であったろう。歌い終わると暖かい拍手につつまれ一安心だった。
いまさらながら《ランスへの旅》は曲がいい。コンチェルタートで歌い上げ、歌の装飾音符が音楽の全体と渾然一体化して浮くことがない。

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