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2015年8月15日 (土)

《泥棒かささぎ》

ロッシーニのオペラ《泥棒かささぎ》を観た(ROF, ペーザロ、アドリアティック・アレーナ)。
ストーリーは、裕福な農家の息子ジャンネットとそこで働いているニネッタは恋仲。ジェンネットが兵役を終えて帰ってくる。ジェンネットの父ファブリツィオはニネッタに好意的だが、母ルチアは何かとあら探しをしたがる。そこで銀のフォーク、スプーンが紛失し、ニネッタが疑われる。なんと、盗みは死罪なのだ。むろん、無実の罪なのだが、そこには2つの要素が絡んでいる。1つは、ニネッタの父が戦争に行って、あることから脱走兵となり身をやつして帰郷したこと。もう1つはタイトルにあるように、この盗みを実行したのは、かささぎだったということだ。光ものが好きな鳥である。
この日の上演は2007年のプロダクションの再演。
演出はミキエレットで、劇全体がある少女の夢という枠組みを与え、彼女が夢のなかでかささぎとなり飛び回る。その後の舞台でも口はきかないがしばしば登場してくる。
少女が寝る前に遊んでいたレゴのような筒状のものが夢のなかで巨大化し、舞台装置となっている。
ジャンネットはルネ・バルベラ。父ファブリツィオはシモーネ・アルベルギーニ。母ルチーアはテレーサ・イェルヴォリーノ(メゾ)。ニネッタはニーノ・マチャイゼでこの人は広いレパートリーで世界的に活躍している。ニネッタの父フェルナンドがアレックス・エスポジトで歌よし、レチタティーヴォよしである。悪代官(代官かどうかしらないが悪役)ゴッタルドはマルコ・ミミカ。ピッポ(ズボン役)がレーナ・ベルキーナ。
このオペラはなかなか変わったオペラで、若い二人が最終的に結ばれるし、盗みの犯人がかささぎという点ではオペラブッファ的な要素があるのだが、実際に見ると、最後の最後までニネッタやその父は苦境が続き、ニネッタは実際に死罪を言い渡され、牢屋に入れられてしまい、悪代官から迫られたりして、運命がまったく彼女の見方をしないのだ。その点でオペラセリアとも違うのだが、変わった味わいのオペラである。
指揮はドナート・レンツェッティ。ベテランなのだが、アッチェレランドをかけるタイミングが独特で、端的にいって遅い。さんざんじらされてやっと加速するわけで、評価の分かれるところかと思う。オーケストラ・合唱団はボローニャ歌劇場。

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