《Messa di Gloria》、ほか
ロッシーニの宗教曲とカンタータ2曲を聞いた(ペーザロ・アドリアティック・アレーナ)。
この上演はもともとはロッシーニ劇場での上演が予定されていたが、同日の夜《幸福な間違い》を上演する準備との都合で会場がアドリアティック・アレーナへと変更になった。今回のROFでフローレスが歌うのはこの演目だけなので、切符の需要が高くそれに応じるために会場が変更になったのだという人もいた。
1曲目は《Messa di Gloria》(グローリア・ミサ)。指揮はレンツェッティ。ロッシーニの場合、ミサ曲でも心はずむ曲想のところ、オペラ的なところが出てくるのだが、レンツェッティのテンポはやや遅め。合唱はボローニャ歌劇場の合唱団。しかしオーケストラはフィラールモニカ・ジョアキーノ・ロッシーニである。
独唱者は豪華で、ソプラノがジェシカ・プラット。メゾがヴィクトリア・ヤロヴァヤ。テノールは二人いて、フローレスとデンプシー・リヴェラ。バスはミルコ・パラッツィ。途中で異音がし、空調がこわれたかと思ったが、雨と雷の音であった。会場はもともと体育館なので屋根がうすく、雨の音が響きやすいのだという。
2曲目は《La morte di Didone》(ディドーネの死)。ディドーネ(ディドー、ダイドー)はカルタゴの女王で、トロイから来たエネアスと恋仲になるのだが、彼が使命にめざめてイタリアに旅立つ(建国するのだ)と、自らの運命をなげき死を選ぶ。悲劇の女王であり、歌曲やオペラにも繰り返し描かれてきた。ジェシカ・プラットの独唱。
3曲目は《Il pianto d'Armonia sulla morte d'Orfeo》(オルフェオの死に際してのアルモニアの涙)。これは16歳のロッシーニが音楽学校で最優秀生徒に委嘱される曲として書かれたものだ。独唱者はフローレス。
カンタータはオペラセリア的な響きも聞かれ興味深かった。
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