《リゴレット》
二期会公演の《リゴレット》を観た(東京文化会館)。
指揮はバッティストーニで、歌手は日本人中心のキャスト。バッティストーニの《リゴレット》は前にマチェラータで観て感銘を受けたのだが、彼の指揮はそこからさらに掘りが深くなっている。
オーケストラの各パーツが音色、リズムをくっきりとさせながらも、全体がばらばらになることはない。3重唱や4重唱のときもそうなのだが、内容が異なる2つのグループが別々に対話が進行していくときも、全体として音楽は複雑さを内包した統一感を保持している。
演出は、オーソドックス。
《リゴレット》というのは、ストーリーは後味の悪い話で、勝手放題な公爵も罰せられずに終わるわけだが、こういう不条理なものの持つエネルギーを音として解き放ったところにヴェルディの偉大さがあるのだと思う。
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