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2015年1月26日 (月)

オペラ《水炎伝説》

一柳慧作曲、大岡信脚本のオペラ 《水炎伝説》を観た。

オーケストラ版に改作したものの初演である。管弦楽は10数人であるが、オーケストレーションの妙と演奏者の技量の高さで聞きごたえがあった。様々な音の表情が次から次へと繰り出される。
また、合唱も男性3人、女性3人なのだが、クオリティーが高い。
ストーリーは古代。アカトキ姫をめぐり白い顔の男と黒い顔の男が争う。白い男は昼を象徴し、黒い男は夜を象徴している。2人の求愛に困ったアカトキ姫の母は、2人に白鳥を射止めるよう、それで見事射止めた方がアカトキをものにすると言い、男たちはいさんで白鳥を射るが、近づいてみると白鳥はアカトキであった。あの世まで追っていく男たち。そこで出会うのは、トコヨ姫(常世あるいは常夜の意であろう)といいアカトキの姉で、とても醜いのであった。
というような話で、大変寓話的である。アカトキと2人の男は、それぞれ歌手が歌うのであるが、同時に3人のダンサーが舞台上にいる。ダンサーは3人とも上半身が裸でひらひらとした白い布をまとっている。よく観るとダンサーも女性1人男性2人なのであるが、鍛え抜かれた腹筋を有し、中性的な外見に見え、一瞬判らないところがかえって効果的でもあった。彼らはモダンなダンスを踊る。
全体として非常に興味深かったし、演奏レベルも高かったと思う。
アンコールの代わりに、作曲家の一柳氏が、台本の一節を朗読した。

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