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2014年12月 9日 (火)

《チャールダーシュの女王》

エメリッヒ・カールマンのオペレッタ《チャールダッシュの女王》を観た(日生劇場)。
二期会の公演である。最近は、コピーライトが厳格化したせいなのか、ネット上から公演にかかわる写真をブログ上に引用しにくい。劇場では、写真撮影、録音を厳しく禁じているのだから、せめてネット上には引用自由な写真をあげてくれるとありがたいのであるが。。。
オペレッタを聞くのは本当に久しぶりで、《チャールダッシュ》を観たのが、フォルクスオーパーの来日公演であったか、ハンガリー国立歌劇場の来日公演であったかも判然としない。そういう筆者なので、以下はオペラばかり観ている人はオペレッタのことはまったく判ってないなあ(無論、オペラ好きでかつオペレッタ好きの方も大勢いるわけであると思うが)と思って読んでいただければ幸いです。
この公演を観て、作品がうまく出来ているなあ、という感想と、オペレッタを演じる歌手は、歌って踊って、コミカルな演技ができなくてはならなくて大変だなあと思った。最近のオペラの演出には、そもそも演出家がオペレッタ出身という人もいて、歌うだけでなく、踊ったり動き回る場面を作る人が増えてきているような印象を持っている(詳しく統計をとったりしたわけではなく、あくまで印象です)。
指揮は三ツ橋敬子。この人の指揮でオペラやオペレッタを聞くのは初めてであるが、とてもリズムがシャープで、かつテンポをあげていくところも自然でぎくしゃくとせず好感が持てた。僕にとってより馴染みのある曲で聞いてみたいとおおいに思った。オーケストラは東京交響楽団。
最終日だったので、配役はシルヴァが醍醐園佳、エドウィンが古橋郷平、シュタージが青木エマ、ボニが高田正人。
最近の歌手は、演技やセリフでコミカルなくすぐり、笑いをとるのもとても上手である。そのため、オペレッタをお芝居としても大いに楽しめた。
カールマンの音楽は、ウィーン風のところあり、ハンガリー風のところありだが、予定調和な感じの音楽で、その心地よさと、限界を同時に味わうこととなった。調性のある音楽という点では同じなのだが、ロマン派の時代の第一線のオペラはストーリーの点でも音楽の点でも、観客はどこにつれていかれるかわからないというわくわくした感じを持つ(ただし、レパートリーとなって繰り返し演奏されれば、その感じは薄れる、摩耗してしまうわけだが)。それに対して、カールマンの音楽は、そういったわくわく感やどこに連れていかれるのかわからないといった感じはない。
上質な娯楽なのだという割り切りがあって成り立つのがオペレッタなのかと思う。
プログラムに演出家の田尾下哲氏が、どうして日本語上演にしたのか、あるいは、この作品に対する思い、解釈を述べているのが興味深かった。日本ではまだまだリブレットに対する言説は貧弱である。田尾下氏の意見に、筆者はすべて賛成というわけではないが、そんなことより、様々な立場の人が、リブレットに関する様々な意見を表明することが大いに望ましいと思うし、そういう状況の到来を願っている。

Emmerich Ká~プリマ・ドンナとオーストリア貴族の恋物語~ 女王

華やかに、エレガントに、心の底から楽しめる!

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