« ジョルダーノ作曲《戯れ言の饗宴》 | トップページ | 《チャールダーシュの女王》 »

2014年11月14日 (金)

須賀敦子翻訳賞

須賀敦子翻訳賞の授賞式がイタリア文化会館で開催された(東京、九段)。

この翻訳賞は今回創設されたのだが、以前にあったピーコ・デッラ・ミランドラ賞(2007年以来中断されていた)を受け継ぐものである。
受賞作品は2点で、いずれもピランデッロの短篇集。
  白崎容子、尾河直哉訳『ピランデッロ短篇集 カオス・シチリア物語』(白水社)
  関口英子訳『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』(光文社)
ピランデッロの短篇は、短編だから人生の一コマを描いているのだが、そこにわれわれが生きている世界の不条理、不思議さ、時には滑稽さを容赦ない形で提出する。
授賞式はイタリア文化会館館長のジョルジョ・アミトラーノ氏の挨拶を含めすべてイタリア語、日本語を交互に(人によってイタリア語が先の人、日本語が先の人、順番がそれぞれ)本人が読み上げた。聴衆に日本人、イタリア人両方がいるからである。
アミトラーノ館長の挨拶のあと、松葉知子さんのピアノによるサティの演奏。竹下景子さんの須賀敦子作品の朗読。松葉さんのアルフレード・カゼッラ「9つの小品」より第5番パヴァーヌ。これはピランデッロの劇で用いられたらしいが、僕は初めて聞いた。2つの部分からなっていて、最初は静かながらも不協和音やシンコペーションでぎくしゃくとしたリズムを刻む部分がある。次は、リズムは規則的で、ややノスタルジックな曲想の、どこかドビュッシーの初期作品を想起させる部分からなっていた。
選考委員長の和田忠彦さんの総評。
いよいよ盾と副賞の贈呈。
そして最後は、受賞者が挨拶と受賞作品の一部を朗読した。
朗読のところだけは(竹下さんの場合も同じだが)日本語による朗読で、うしろのスクリーンにイタリア語の原文が写しだされた。適切な工夫だと感心した。
この賞が中断されることなく、20年、30年、いや50年、100年と続いていって欲しいと思う。

|

« ジョルダーノ作曲《戯れ言の饗宴》 | トップページ | 《チャールダーシュの女王》 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/144339/60649807

この記事へのトラックバック一覧です: 須賀敦子翻訳賞:

« ジョルダーノ作曲《戯れ言の饗宴》 | トップページ | 《チャールダーシュの女王》 »