ROFの挑戦
経済危機の時代にオペラをどう作るかをROF (ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル)の総裁ジャンフランコ・マリオッティが語っている(Corriere Adriatico, 8月13日)。
「《セビリアの理髪師》では、ウルビーノの美術学校の生徒が演出、舞台装置、衣装、ヴィデオを担当したが、最高のロッシーニ歌いをそろえて、ロッシーニ劇場では喝采がわきおこった」
「たしかに演出家や舞台監督や衣装家がいるプロダクションより安上がりだが、節約のためにそうしたのではない。美術学校の生徒とは何年も前から協力していて、今回はすっかりお任せした。ROFは監視していただけだ」
監視という言葉は妙に響くかもしれないがROF の鉄則として、どんな演出をしてもよいが歌詞(リブレット)に手を加えてはならないというのがある。見かけは時代を変えてもよいのだが。こうして、若いエネルギーが発散し、生徒たちはヘルメットをかぶった黒子として舞台装置を動かす役も果たしていた。
ROF を報道する新聞・雑誌は130にのぼるが、そのうち70%は海外のものだという。ウルビーノ大学の研究によると、メディアの注目は、800万ユーロの広告をただでやってもらったことに相当するという。さらに総裁は語る「活動の80%は市内でのものだ。フェスティヴァルに使われた1ユーロは7倍になってかえってくる」。しかもROFの代金は変わっていない。「聴衆は質に厳しいが、保守的ではなく、考えさせることをもとめる聴衆だ」。
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