グラインドボーンの決算
グラインドボーンの最終日には、慣例で、創設者の子息クリスティ氏が来年のプログラムを発表するのだという。
観客はそのことを周知の人が多いらしく、席を立つひとはいない。幕がおりてすぐにクリスティが登場し、今年の座席は98%が埋まり大変良好な売り上げであったこと。
若者向けの価格を抑えた公演(チケット?)をかなりの数用意して好評であったこと。それは次世代のグラインドボーンのサポータを育成することでもあるという認識を示した。
また、グラインドボーンのライブビューイングが始まることも告げられた。これを観たひとが実際にグラインドボーンに足を運ぶかどうかはわからないが、何人かは来るでしょうとクリスティ氏。
(メディアとの連携はROF でも問題になっており積極的に取り組まれている。グラインドボーンのホームページも作品のあらすじや、解説が充実しているし、たとえば《リナルド》では演出のカーセンとドラマトゥルグの対談が音声で聞けるし、さらにヴィデオで語っているシーンもアップされている。大胆な演出(時代設定を原作から変更する場合など)はなぜそういうことをするのかは、こういった形で演出家自ら
最低限は語る必要があるだろう。それをごく一部の内部関係者や専門誌の読者だけが知る状態では一般のチケット購入者には欲求不満がたまるであろうからだ。
来年の演目としては、ドニゼッティの《ポリウート》とブリテンの《ルクリースの陵辱》が記憶に残った。紙が配布されるわけではなく、メモをとったわけでもないので他はすぐに記憶がとんでしまった。
最後は、クリスティ氏の母上の名前を冠したバラ園ができること(彼女が1950年代から庭を手塩にかけていたとのこと)、上下階の往来を楽にするためにエレベーターをつけることがアナウンスされた。たしかに足が悪い人や高齢者はかなりいると思う。
最後はみなが起立してゴッド・セイブ・ザ・クイーン。少数の人は歌ってもいた。
ROFでは初日も千秋楽にも国歌は演奏されない。ただし、イタリア創立150周年の2011年には国歌 Inno di Mameli がROF でもトリノ歌劇場でもフェニーチェ歌劇場でも演奏されていたので、おそらくイタリア中の歌劇場で演奏されていたことだろう。
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