« ROFの挑戦 | トップページ | 《パルミーラのアウレリアーノ》(演奏評) »

2014年8月19日 (火)

《パルミーラのアウレリアーノ》

ロッシーニの《パルミーラのアウレリアーノ》を観た(ペーザロ、ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル)・

このオペラはロッシーニのオペラ・セリアの中でも上演されることが非常にまれなオペラで、ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルでも初登場である。上演が今までなかったのは批評校訂版がなかったことにもよる。
なじみの薄い作品なので、あらすじから順々にゆっくり紹介したいと思う。
ストーリーは単純といえば単純で、古代ローマ時代の史実に基づいている(無論、多少、色どりは添えてある)。
主要人物は3人で、ローマ皇帝のアウレリアーノ(アウレリアヌス)、パルミーラ(今のシリアあたり)の女王ゼノービア、ペルシアの王子アルサーチェである。アウレリアーノはゼノービア(未亡人)の美しさに惹かれる。しかし、ゼノービアはアルサーチェと相思相愛なのである。そこでアウレリアーノはアルサーチェを打ち負かすたびに命は助けてやるからゼノービアをあきらめろとか、ゼノービアに対しては、アルサーチェをあきらめれば領土は安泰だと言うのだが、二人(ゼノービアとアルサーチェ)の愛の絆は強く、アウレリアーノの思うようにはいかない、というのが一番主要な筋だ。
第一幕はイシデ(イシス)の神殿で、パルミーラとアルサーチェの連合軍がローマと戦うので勝利を祈願している。しかしペルシア軍は敗れアルサーチェは捕虜となる。ローマ皇帝アウレリアーノはアルサーチェにゼノービアをあきらめるよう説得するが失敗。一方、ゼノービアはアルサーチェを解放してもらおうと財宝をもって皇帝に会いにくる(そこで皇帝はゼノービアの美しさに一目惚れ)。皇帝はゼノービアに降伏をすすめるが彼女は拒絶。投獄されたアルサーチェはゼノービアとの面会をゆるされ、そこへアウレリアーノがきて、アルサーチェに対して、ゼノービアをあきらめれば釈放すると持ちかける。がアルサーチェは拒絶し、ゼノービアは皇帝に戦いを申し出る。
第二幕 ゼノービアは敗戦。そこへアウレリアーノがやってきて、アルサーチェをあきらめるか、ローマへ連行されるか、と迫るが、ゼノービアは拒絶。アルサーチェ逃亡の知らせが入る。
場面は変わり、ユーフラテス河のほとりの羊飼いたち(この日の舞台には本物のヤギが何頭も登場した)が平和な暮らしを歌う。そこへアルサーチェがやってきて羊飼いはここに留まるように進める。が、そこにゼノービアが皇帝アウレリアーノに捕らえられたとの情報がはいる。アルサーチェは再び戦いにおもむく。
ここで今まで紹介していなかったが実はプブリアという王女がいる。前皇帝ヴァレリアーノの娘で、彼女もアルサーチェを慕っている。だから、アルサーチェを中心に考えるとゼノービアとプブリアで三角関係が成り立ち、
ゼノービアを中心に考えると、アウレリアーノとアルサーチェで三角関係が成り立つのである。
プブリアはアウレリアーノに無駄ですよと告げるが、アウレリアーノはまたもゼノービアに和解すれば、女王の位を保証すると申し出る。そこへアルサーチェの進軍の報せ。アウレリアーノは出陣し、アルサーチェは大敗を喫す。
アルサーチェとゼノービアは再開し、二人とも死を覚悟する。そこにアウレリアーノが登場。二人の愛の強さに感服する。
プブリアはアルサーチェへの思慕を断念し、アルサーチェの助命をアウレリアーノに嘆願する。アウレリアーノはローマへの忠誠を条件に二人が元通りに故国の統治をすることを認め、めでたしめでたし。
このリブレット(台本)は、若いころのフェリーチェ・ロマーニによるもので、同じような場面(アウレリアーノが条件をだしてゼノービアを自分のものにしようとするが拒絶される)が何度も出て来る。言葉遣いはきれいなのだが、構成としてはやや弱いために、これが傑作として残ることがなかったのではないかと推察した。

|

« ROFの挑戦 | トップページ | 《パルミーラのアウレリアーノ》(演奏評) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/144339/60176103

この記事へのトラックバック一覧です: 《パルミーラのアウレリアーノ》:

« ROFの挑戦 | トップページ | 《パルミーラのアウレリアーノ》(演奏評) »