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2014年5月 2日 (金)

《多様な目》

シルヴィオ・ソルディーニ監督の《多用な目》を観た(イタリア映画祭、有楽町・朝日ホール)。

ドキュメンタリー映画なのだが、非常に想像力をかきたてられる映画だった。ここに登場するのは、様々な職種の盲人である。彼ら、彼女らの職種はさまざまだし、個性や感性も様々だ。
彼らの多くが述べる不満は、健常者が盲人をひとくくりにして、ある種のきめつけを、たとえ善意からであっても、してしまうことだ。音楽家は、「盲人だから感受性が敏感なんですね」などと言われることに反発する。盲人でも感性の鈍感な人はいくらでもいる、というのだ。
盲人でヨットに乗ったり、スキーをしたり、射的をしたり様々なスポーツに挑んでいる人がいる。
盲人の夫婦がいて、健常者のトンチンカンな(しかし筆者もやってしまいそうな)反応がいかに不適切かを語る。言われてみれば、たしかにそうだ、ということなのだが、聞いていて面白い。なんと言えばいいのか、新たに盲人の視点を獲得する新鮮な驚きというか。時々、画面がブラックアウトするのも効果的だ。われわれは数秒間、盲人の世界を擬似的に感覚するのだ。
編集のうまさもあるだろうし、人の選択もよかったのかもしれないが、クリエイティブな映画であると強く感じた。

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