マスネ《ウェルテル》
マスネ作曲《ウェルテル》を観た(ライブビューイング)。
マスネは曲によってスタイルが変わるが、まぎれもなくフランスオペラの持つ味わいがある。
第一幕はウェルテルとシャルロットが知り合うきっかけを、かなり丁寧に描いていて、イタリアオペラであれば、かなりはしょってしまうだろうというくらいに展開はゆっくりしている。
しかし後半、ウェルテルとシャルロットの関係は劇的に緊張度が増す。シャルロットは人妻となっているわけだが、心は揺れる。しかしウェルテルの気持ちには応えられない。その結果、ウェルテルは絶望して死んでいくわけである。
カウフマン(ウェルテル)とコッシュ(シャルロット)はそのドラマを見応え十分に演じていたと思う。カウフマンの声質がマスネにあっているかと言われれば、最高度にあっているとは言いがたいであろうが、演技としてみると声の問題はさほど気にならなくなってくる。リチャード・エアの演出もかなりオーソドックスでストーリー展開がすっきりのみこみやすいものであった。
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