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2013年8月15日 (木)

《アルジェのイタリア女》

《アルジェのイタリア女》を再び観た(ペーザロ、ロッシーニ劇場)。

こちらは、相変わらず芸達者なエスポジトをはじめとする踊って歌える歌手陣の演技と歌唱がはじけていた。
興味深かったのは、リヴェルモ−ルは細かく演出に変更を加えてきたことだ。
1.初日には男性合唱団(ムスタファの部下たち)がみな銃を持っているのに一人だけ持っていない部下がいて、まわりの人間もそれを指摘する仕草をするのだが、それが何を意味するのか判らなかった。2日目(再演)の舞台では、全員が銃をもっていてこの場面での合唱団のなかでの動きはよりシンプルになっていた。
2.ムスタファが、ヴァイアグラを飲みながら歌う場面。1錠飲んではうたい、また1錠飲んで歌いという場面のあと、パンツのなかから煙が出て来る。ヴァイアグラの飲み過ぎで、ペニスが炎上してしまったというジョークで会場は笑いの渦につつまれた。これは初日にはなかった演出である。
以上の2点だけではないかもしれないが、リヴェルモールは、初日の舞台、それに対する観客の反応をフィードバックして修正・変更を加えたのではないかと思う。演出家によっては、いったん出来上がった演出は変えない人もいるだろうが、こういう積極的に笑いを取りに行く演出では、細かく変えていくのも悪くないアイデアだと思った。

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