ポリーニ・パースペクティヴ第4夜
ポリーニ・パースペクティヴの第4夜を聴いた(サントリーホール)。
ラッヘンマンの弦楽四重奏曲「叫び」とベートヴェンのピアノ・ソナタ第28番、第29番「ハンマークラヴィア」。
ラッヘンマンの曲は、微分音やフラウタンド(フルートのような音を出す奏法)を駆使して、まるでいろんな音程を出す蚊の羽音が寄せ集められたような音楽。標題は「叫び」だが絶叫タイプの音楽ではない。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタも28番、29番になると、対位法的な音楽が増え、合間に可憐なメロディーがはさまる。ハンマークラヴィアは、しかも規模が大きい曲で、こみいった理屈が展開される。
ポリーニは、かつてのような完璧な指の回転ではないが、対位法をはじめとする曲に対する理解の深さ、曲の構造を提示しようという意志を感じた。
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