《ラ・ボエーム》フェスティバル・プッチー二
プッチーニのオペラ《ラ・ボエーム》を観た(トッレ・デル・ラーゴ、フェスティバル・プッチーニ)
トッレ・デル・ラーゴはとても小さな町で、プッチーニの別荘および夏の音楽祭を除いて特別な町ではないためホテルの数は少なく、ヴィアレッジョやルッカから来る観客も多い。
ヴィアレッジョからはシャトルバスが出ている(往復10ユーロ)。8時10−20分にヴィアレッジョの各停留所をまわり、トッレ・デル・ラーゴに8時半すぎに着く。開演は9時15分から。
帰りは12時半なり1時(夜中の)にトッレ・デル・ラーゴを出発、終点はヴィアレッジョの隣のフォルテ・デイ・マルミ(有名な海水浴場)。
無論、ヴィアレッジョも圧倒的大多数の観光客は海水浴に来ているのだ。
トッレ・デル・ラーゴには自家用車で来ている人も多い。
チケットは日本からネットで予約できる。野外劇場のそばに biglietteria (チケットオフィス)があって、そこでインターネットで受け取った支払い済みのメールを見せチケットを受け取る。ヴェローナのアレーナなどの場合はさらにすすんでいて、うけとったメールが E-チケットになっていて、それを見せれば、携帯電話で読み取るぐちゃぐちゃマークをぴっと読み取り(われながら稚拙な表現ですみません)入場できる仕組み。入場券と引き換えることも可能ではあるが、その必要はない。フェスティバル・プッチーニの場合は、入場券との引き換えが必要です。お間違えなく。
この上演はなんと言ったらよいのか困惑する上演だった。そもそもロドルフォが予定されていたキャストから入れ替わりマッシモ・ジョルダーノになった。
彼は、小さな手の最後の la sperannza (希望)の高音は出たのだが,低い部分でしばしば声がしゃがれ声になってしまうのだ。1幕最後のミミと二人でアモール(愛)という部分では、高音にいかないし、しかも小声で彼の声はほとんど聞こえずミミ一人の声だったのだが、マリア・アグレスタ演じるミミは
声がよろよろ震えてしまったのである。
ラ・ボエームは、パリの屋根裏部屋に芸術家志望(あるいは売れない芸術家)が4人つどっている話で、その中の詩人ロドルフォがお針子のミミと出会うわけである。
筆者は決して歌手に対してビジュアル重視ではなく、むしろ声重視なのであるが、この日の4人は中年おじさんに見えてちょっと悲しかった。歌手が恰幅がいいのはかまわないし、その方が声にとってよいと思っている。髪型や服装で若々しさが欲しかった。ミミの服装にしてもそう、お針子だからお金がかかってない服装なのは納得するけれど、貧しいなりに美しくみせたいというせつない気持ちがあるはず。
第二幕になると、オレンの指揮が早くきびきびとしてよかった。かなりの人数の群衆役が出てきて圧倒される。ムゼッタのアリダ・ベルティ、マルチェッロのがぶりエーレ・ヴィヴィアーニもしっかり声が出ていた。
ロドルフォの歌手はおそらくのどの調子が悪かったのだろうと思う。また、ミミは第三幕の前に、暑さと湿気のために体調不良で演奏再開を待ってほしいというアナウンスがあったほどだから、絶好調とは言えまい。
観ている筆者も移動日で疲れていたが、なんだかお疲れさまの《ラ・ボエーム》だったのでありました。
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コメント
あけまして、おめでとうございます。ご無沙汰しておりますが、本年もよろしくお願いします。
久しぶりにブログを拝見いたしましたが、私がゼミに在籍していた時よりも、オペラの話題が多く、羨ましい限りです。
本題の「ラ・ボエーム」は、比較的現代的な演出でも違和感が少ない場合が多いのですが、内容を伺う限りでは残念だったようですね。
やはり、ミレッラ・フレーニとジャンニ・ライモンディ、カラヤン指揮の「ラ・ボエーム」が最高と感じてしまいます。
自分がいつまでも過去の名演にしがみついてしまうのは、いけない事とは思うのですが。。。
長文になり申し訳ございません。
また、ブログ更新とお会いできる事を、楽しみにしております。
投稿: Raimondi | 2013年1月 1日 (火) 23時31分