ロッシーニ《バビロニアのチーロ》(あらすじ)
ペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバルがオペラ《バビロニアのチーロ》で開幕した。
めったに上演されない演目であるので、あらすじを説明する。長くなるので、この項はあらすじのみとします。
古代バビロニアとペルシアで両国が対立しています。
バビロニアの王バルダッサーレとペルシアの王チーロが敵対している。
チーロが優勢で、バビロニアを包囲していたんだけれど、バルダッサーレ(バビロニア王)は逃げる途中で、なんと敵王の妻アミーラとその子、侍女アルジェーネを捕まえることに成功。
形勢逆転です。
アミーラとアルジェーネは、もちろん美女。あろうことか、バルダッサーレはアミーラに結婚を迫ります。アミーラが拒絶すると、殺すぞと脅したりする。
一方、バルダッ サーレの部下である将軍アルバーチェもアルジェーネ(アミーラの侍女)に夢中。主従ともに、敵方の女性が好きなんですね。
アルジェーネは女性たちに頼まれ、アミーラの夫チーロに入れ知恵をする。
チーロが使者に化けて、バルダッサーレと会見し、アミーラ母子とアルジェーネを解放したら、バビロニアの包囲を解くという交換条件を出す。
しかしバルダッサーレは子供は解放してもいいけど、アミーラは駄目という。(彼女への執着見え見えです)。
そこで使者に扮しているチーロは私がアミーラにあなた(バルダッサーレ)との結婚を説得しましょうという(そうすれば妻と子に会えるから)。
妻と2人になると、妻は変装をみやぶり、私はバルダッサーレなんかと結婚しない、愛しているのは あなただけ、と言おうとするが、チーロは王が立ち聞きしているのを察してにせの説得を続ける。アミーラは察しが悪く自分の真情を吐露してしまうので、チーロが使者ではなく、ペルシア王であることがばれて、逮捕、投獄されてしまう。
ここで一幕が終わる。
全体は二幕です。
さて、第二幕。地下牢で思いをめぐらすチーロ。そこへ妻のアミーラがやってきて愛の二重唱。不意にバルダッサーレ(バビロニア王)がやってきて、二人を引き離し、死刑を宣告。
バルダッサーレは宴会を開くが、傲慢にもエルサレム神殿の聖具を使用している。
そこへ雷が落ちる。(神罰の典型です)。
人々おそれるなか、不思議な手があらわれ Mane Thecel Phares という謎の言葉を記す。
バルダッサーレは僧侶たちにこの言葉の意味を解き明かすよう命じる。
僧侶たちとともにヘブライの預言者ダニエッロ(旧約聖書のダニエル)がやってくる。
ダニエッロの解釈では、バルダッサーレやその民が「アブラハムの神」(ユダヤの神)に
対し恩を忘れ、さらに神殿まで破壊したのでアッシリア王国はメデアとペルシアに分割されバビロニアは
消滅するだろう、バルダッサーレも敗北の日に殺されるだろう、と言う。
僧侶たちは、この不吉な予言を払いのけるには、チーロ、妻アミーラ、息子カンビーセを神々(こちらはユダヤではないほうの神々)に生け贄にしましょうと進言する。
バルダッサーレはアミーラだけ は生かしておきたかった(まだ未練が。。。)がしぶしぶ承諾。
バビロニアの広場でチーロ、アミーラらの処刑の準備がされ、バルダッサーレがやってきて処刑を急ぐよう命じる。
バルダッサーレが王宮へ帰ったところで、敵軍(チーロの軍)が攻めて来て、バルダッサーレは捕われてしまう。
チーロは「アブラハムの神」(ユダヤの神)の願いにそって、バルダッサーレとその一族を皆殺しにする。
侍女アルバーチェは、将軍アルバーチェの愛を受け入れようとしている。
敵も味方も、チーロの凱旋を祝って幕。
以上があらすじである。
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