雨の《トスカ》
フェスティバル・プッチーニの最終日、《トスカ》を観た(トッレ・デル・ラーゴ)。
雨のため、2幕までで上演は中止となった。野外劇場の宿命であろうか。
1幕はなんということなく終わった。テノールの Warren Mok の声がレチタティーヴォその他で他の歌手に聞きおとりするとは思ったが。
第2幕で、スカルピアとトスカが二人きりになったところで、ぱらぱらと雨。中断となり、15分−20分が経過。再開したが、稲光がまるで舞台照明のように、チカチカと舞台を照らす。
2幕が終わったところで、舞台転換をせず、休憩も縮めて第3幕をやるというアナウンスがあったのだが、無情の雨で終了。
トスカはオクサナ・ダイカ。しっかりした発声で演技もうまい。スカルピアはレオナルド・ロペス・リナーレス。
堂守はドメニコ・コライアンノで好演。昨日の《ラ・ボエーム》でショナールを歌っていた人で、声の表情が達者な人である。堂守がこれくらいうまいと芝居が引き立つ。
今日は残念ながらテノールが弱かったが、昨日今日と、あらためてテノール役の重要性を認識した。テノールが調子がいいか、ある程度以上うまくないと、気分が高揚しないのである。
(追記)
今日(27日)のNazione その他の地元紙を読んで驚いた。雨のため第二幕終了のところで舞台終了となった《トスカ》は、客席の下にあるフォアイエ(ロビー)に雨宿りをしている観客たちのために、第三幕がピアノ伴奏で演奏されたと報道されている。
筆者は、雨が降ってきて急いでシャトルバス(ヴィアレッジョやルッカへのものがある)に乗ってしまい、
その第三幕は観なかったし、そういう形で上演されていることも今日まで知らなかった。
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