《いつもの見知らぬ男たち》
マリオ・モニチェッリ監督の《いつもの見知らぬ男たち》を観た(九段・イタリア文化会館)。
3日連続のマリオ・モニチェッリ作品上映会の初日である。今回の上映会はモニチェッリの作品を5本上映する。
上演の前に、塩野七生氏の解説があった。日本でのイタリア映画の紹介は、シリアスなものに偏りがちであり、モニチェッリ、そしてディーノ・リージ、ルイジ・コメンチーニはイタリアでは良く知られたコメディ作家であり、もっと日本で紹介されるべきとのこと。生きるうえで全く役に立たない映画という言葉で《いつもの見知らぬ男たち》を記述していた。
《いつもの見知らぬ男たち》(I soliti ignoti) は、与太者たちが、なんとか一山あててやろうと、質屋の金庫破りをやろうという話である。与太者がヴィットリオ・ガスマンやマルチェッロ・マストロヤンニ、別の与太者の妹はクラウディア・カルディナーレという豪華メンバー。さらに、金庫破りの指南番はトトが演じている。
会場は何度も笑いにつつまれた。モニチェッリは笑いの中に、ちょっとした人情や、人生へのアイロニーを盛り込んでおり、老若男女を問わず楽しめる映画と言える。
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コメント
私も文化会館で見ました~心から笑える映画でした
コメディでもドタバタでなく上品な感じのコメディだと思いました
もっとこういう映画が塩野さんのおっしゃる様に日本で紹介されると嬉しいです
塩野さんの言われた緩んでしまったイタリア最高の表現ですね
投稿: yoko | 2011年11月21日 (月) 09時40分
この映画は70年代に留学していたときにローマのTerza Visioneの映画館で見ましたね。1958年のこの作品はあの頃流行っていた完全犯罪もののパロディでしょう。
たしかに笑える映画でした。モニチェッリという監督はもっと高く評価されていいと思います。
あと、憶えているモニチェッリ作品は
Amici mieiとか、
I compagniなどで、どっちもすばらしくおもしろかったです。
投稿: Shibano | 2011年11月21日 (月) 11時04分
すみません、付け足しです。
「いつもの見知らぬ男たち」というタイトルはちょっと直訳過ぎますね。
「例によって氏名不詳の連中が」とでもしたほうが内容的にはぴったりだと思いますが。
投稿: Shibano | 2011年11月21日 (月) 11時08分
yoko さん
おっしゃる通りですね。せっかく字幕をつけたのだから、このDVDが市販されるといいなと思っています。
緩いコメディもどんどん紹介されるようになるといいですね。
投稿: panterino | 2011年11月21日 (月) 23時51分
Shibano さん
なるほど、パロディだったのですか。この後もマルコ・ヴィカリオ監督の《黄金の7人》(1965年)のように、金庫やぶりものの系譜がありますね。
投稿: panterino | 2011年11月21日 (月) 23時56分