Festa Monteverdiana
マチェラータのテアトロ・ラウロ・ロッシで Festa Monteverdiana を観た。
マチェラータではオペラ・フェスティヴァルが野外のスフェリステリオ劇場で開催されているが、こちらは室内である。
写真では判りにくいかもしれないが、古典的な馬蹄形で、平土間と桟敷席のある劇場だが、かなり小ぶりである。平土間は最前列から最後尾まで11列であった。
演奏されたのは、タイトルが示唆するように、ほとんどがモンテヴェルディの作品。オペラ『オルフェオ』からの2曲と7曲マドリガーレが演奏されたが、古楽器の演奏者も、歌手も、バレリーナもみなルネサンス風の衣装をまとっている。
リュートやチェンバロにはこうした衣装が似合うし、こうした小さな劇場では歌手の表情づけが実に細かいところまで聞き取れるし、顔の表情、身体のしぐさも雄弁である。またオーケストラも小編成で十分な音量となる。小編成でかつ古楽器であるため、音量的には近代的オーケストラとは比較にならないが、この劇場では十分な音量なのであり、さらにこうした編成の強みである微細な表情が生き生きと伝わっていた。
テンポも自由に動かしていたし、静かな時、華やいで踊りだす時と、一瞬でがらっと音の表情が豹変するのだ。ルネサンス音楽が、今では常識となりつつあるが、決して古色蒼然としたものではなく、人間の感情をそれにともなう身体的リズムとともに描きだしていることを明らかにしていた。
指揮とチェンバロはマルコ・メンコボーニ、ソプラノはフランチェスカ・ロンバルディ・マッツッリ。
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