トレモンティ:危機は終わっていない
経済大臣のジュリオ・トレモンティは経済危機はまだ終わっていないと警告した(1月7日、Corriere della Sera).
トレモンティは、「まるでヴィデオゲームの世界に生きているようだ。怪獣がでてきて、戦って、やっつける。ほっとすると、別のもっと強い怪獣があらわれてくる」。「世界経済の将来はどうなるのだろう?」
この発言はパリでの会議でのセミナーでのもの。
イタリア経済は、他の欧米諸国と較べると、2008年に始まった経済危機に対してずっと状態が良いことを強調しつつも、トレモンティは、ここ数ヶ月の経済状態の改善があまりに楽観主義を引き起こしていると警戒している。
経済危機で銀行を救うことによって、新たなリスクを招いているという。それによって、危機が無くなるのでなくて新たな出発点にたっていることになるのだ。大不況の元凶は、打ち負かされたのではなく、単に先送りされたのである。
彼の目には、ヨーロッパの構造的な弱点が映っている。「世界の地政学的地図を見れば、今日の相互作用や競争が、大陸ごとの大きなブロックの間で起こっていることが容易に見て取れるだろう。国民国家の終焉だ」
トレモンティの提案は、ユーロ共通債の発行である。
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