文学者の原稿の行方
作家や詩人の原稿を保存する文書館がSOSを発している(12月4日、Corriere della Sera).
1969年マリア・コルティは詩人エウジェニオ・モンターレの旧作の下書きや最近作の校正刷りを手にした時に、20世紀の作家の自筆原稿の文庫を作ることを決意した。
1973年に文書館が設立され、彼女はそこに自分の情熱を注ぎ込み、30年前からはリサーチ・センターが付属するようになった。
2002年にマリア・コルティが亡くなった時、彼女は幅広い交友関係を持っていたこともあり、イタリア最大の20世紀作家の自筆原稿のコレクションが残された。
そこには、ロマーノ・ビレンキからはじまって、ガッダ、セレーニ、カルヴィーノ、モンタネッリ、フォルティーニ、アルバジーノ、ザンゾット、マンガネッリの原稿がある。作家の数は236人。
彼女以前には、トリノ大学にゴッツァーノの自筆原稿のコレクションはあったが、いずれにせよパイオニア的仕事であった。
こうした仕事に刺激をうけて、フィレンツェの Fondo Palazzeschi, Archivio Bonsanti del Vieusseux, シエナの Centro Fortini, ミラノの Centro Apice などが生まれた。
新聞や文学に関しては、Fondazioni Rizzoli-Corriere della Sera e Mondadori も忘れてはならないものだ。
70年代、80年代は、この仕事に関して、県や州も協力的だった。しかし、現在の文書館の館長マリア・アントニエッタ・グリニャーニは、予算の窮状を嘆いている。
最近、この文書館は新前衛主義の詩人・批評家アルフレード・ジュリアーニ文庫を入手したが、これには書簡も含まれており、グルッポ63がどう生まれたかを知る貴重な資料である。
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