成績表は必要か?
成績表は必要か、不必要かという議論がフランスから起こっている(11月22日、Corriere della Sera).
教育大臣のマリアステッラ・ジェルミーニは必要派だ。「成績表は成長を助けるし、生徒がよく勉強したかどうかをはっきりと理解するのは正しいことだ」と述べている。
それに対し発達心理学者のシルヴィア・ヴェジェッティ・フィンツィは、点数のついた成績表は、「屈辱感を与えるおそれがある」として否定的だ。
この賛否の議論はフランスからやってきた。フランスでは成績表を廃止すべきかどうかが論じられている。
イタリアでは逆に、2009年に32年ぶりに復活したのである。
フランスの成績は1から10で示される。イギリスの小学校ではいわゆる成績はないが、教育上の進歩に対して評価が与えられる。ドイツではの成績は1から6までだが、イタリアとは逆に1が最高で、6はいちじるしく不十分となる。スペインの小学校では数字の成績はない。大変よろしい、良い、もっと頑張りましょうなどの言葉で表現される。アメリカでは数字ではなくアルファベットでA からFまでで示される。Aが最高で、Fはいちじるしく不十分となる。
イタリアでの成績の歴史を振り返ると、次のようになる。
1907年にマリア・モンテッソーリがローマに「子どもの家」を開いたときには成績はなかった。
1923年にジョヴァンニ・ジェンティーレが教育大臣の時には、小学校に10段階の成績を導入した。
1977年、成績表は中断され、その代わりに、ottimo, distinto, buono, sufficiente の言葉による評価が導入された。
2009年の改革で、マリアステッラ・ジェルミーニ大臣は各科目と素行に関し10段階の成績を再導入した。
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