モーロ未亡人、亡くなる
アルド・モーロの未亡人が亡くなった(7月19日、Corriere della Sera).
エレオノーラ・キアヴァレッリ(キリスト教民主党の政治家アルド・モーロの未亡人)がローマで亡くなった。94歳だった。夫妻は、1945年に結婚し、四人の子供をさずかった。
アルド・モーロは、1978年に赤い旅団に誘拐され、殺された。幽閉されていた55日間にモーロは86通の手紙を書いたが、そのうち何通かは妻にあてたものだった。夫人は、それまで大変控えめな人であったが、夫が誘拐されると決然と、あらゆる人の門をたたき、ついには、教皇パオロ6世に、赤い旅団あての手紙を書かしめるにいたったのである。
夫人の証言によると、モーロはヘンリー・キッシンジャー国務長官(当時)との会見後、具合が悪くなった。夫人はその時の夫の言葉を憶えていた。キッシンジャーは重大な警告を発した。「共産主義者に言い寄るのをやめるか、さもなくば、高く付くぞ」と。
こうした話は、つねにコッシーガ大統領(当時)やジュリオ・アンドレオッティによって否定されてきた。
夫人は、キリスト教民主党が赤い旅団との取引に応じなかったことを許さず、モーロの国葬に出席しなかった。赤い旅団によって殺されたモーロのボディーガードの葬儀には出席したのだが。
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