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2010年2月28日 (日)

ボルゲーゼ美術館展

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ボルゲーゼ美術館展を観た(東京都美術観、上野公園、4月4日まで)。

知人から招待券をいただいたのである。今回、誰でも注目するのは、ラファエッロ、カラヴァッジョ、ベルニーニであろう。僕も、その3人の作品に、強い印象を受けた。

ラファエッロの場合、一角獣を抱いた婦人の肖像画なのだが、これが長い間、改作されて、上にマントをかぶった聖女の姿(白黒写真で展示されている)となっており、ロンギらが修復して今日の姿に戻ったというエピソードはやはり興味深い。

さらに強い印象を受けたのはカラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」である。ヨハネを絵に描いたものなど無数にあるわけだが、少なくとも僕はこの絵に似たものがまったく思い当たらない。不思議な絵である。不思議なことの一つは、ヨハネが少年として描かれており、その少年が両性具有的な雰囲気を漂わせていること(これはレオナルドなど他にも例がある)。そして両性具有的な雰囲気とも絡んでくるのだが、ヨハネの足が片方にながれ、足を組むといったポーズでなく、女性的なのである。

そばに寄ってみても、筋骨隆々という感じの肉ではなく、すらっとした足で、女性像あるいは女神像の足という感じなのだ。全体を見れば、胸はふくらんでおらず、少年であることは明らかで、タイトルも洗礼者ヨハネであるから疑いはないのだが、カラヴァッジョは、おそらく、これまでにないヨハネ像を書こうという意思を持って、かなり挑発的に、このような構図、描き方をしたのではないか、という感想を持った。

ベルニーニのボルゲーゼ枢機卿の彫像は、先日映画『カラヴァッジョ』を観たところだったので、本物はこんな顔だったのかと感慨深いものがあった。映画の登場人物では、もう一人、作者はことなるが教皇パウルス(ボルゲーゼ枢機卿の伯父)の肖像画も展示されている。

ボッティチェッリやラファエッロからカラヴァッジョまでは、100年ちょっとである。描かれた人物にあてられた光と影は、その間に激変している。いかに、宗教改革とそれへの対抗運動が教会だけでなく、教会がパトロンとなった絵画・彫刻の世界にも激震をもたらしたのかを思った。

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