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2010年1月16日 (土)

オペラ《マダム・サン・ジェーヌ》

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ジョルダーノ作曲オペラ《マダム・サン・ジェーヌ》を観た(1月16日、初台・新国立劇場)。

日本初演である。海外でも上演は珍しいと思う。1967年に、ジョルダーノ生誕100年を記念してスカラ座が上演したことがあるようだ。今回の上演、主催は東京オペラ・プロデュース。明日、17日も上演される。当日券もある。

この作品、原作は、サルドゥー(《トスカ》の原作者)とモロ−で、それをR.シモーニが台本を書き、ジョルダーノが作曲した。初演は、1915年1月25日、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で、指揮はトスカニーニだった。

ジョルダーノと言えば、だれでも思い浮かべるのは、《アンドレア・シェニエ》であろうが、これもフランス革命に舞台をとりながらコメディーとなっている。ジョルダーノ唯一の喜劇だという。

物語は3幕からなり、1幕目は、フランス革命の最中で、女主人公カテリーナ(ずけずけと誰にでもものを言うので、ついたあだながマダム・無遠慮=サン・ジェーヌ)が洗濯屋を営んでおり、そこに兵隊や革命に関わるものが出入りしている。

第2幕では、ナポレオンは皇帝となり、カテリーナは恋人と結婚し、恋人の昇進に伴い伯爵夫人になっている。この幕の冒頭で、仕立屋とバレエの教師と従僕が交わす会話、最近は成り上がりの貴族が多く立ち居振る舞いがなっていないという箇所は、歌、演技ともに楽しめた。もちろん、演出(彌勒忠史、以下敬称略)の力も大いにあるだろう。ここからは、世話物めいた話の展開である。カテリーナはやまだしのため、エレガントな身のこなしが出来ない。それをからかわれ、あげくの果てには、夫ルフェーブルは皇帝から離婚をすすめられる始末。また、ナポレオンの宮廷のナポレオンの妹やナポリの女王がカテリーナに意地悪だったりするのだが...それに三幕では、一幕で命を救ってやったナイペルグの后への恋慕が絡む。

《アンドレア・シェニエ》とは異なり、悲劇ではないので、強いカタルシスを得るような劇ではないのだが、部分的には、ルフェーブルとカテリーナの二重唱、カテリーナのアリアなど聴かせどころはちりばめられている。カテリーナ役の大隅智佳子は、声もとおり、声・演技ともに表情にあふれ、コミックな味を良く出していたし、庶民の代表として、貴族に物言うときのアリアも堂々として立派だった。

相手役のルフェーブル、内山信吾は、堂々たる体躯で、活躍する兵士の力強さをよく表現していた。愛の二重唱で、今一段の柔らかな表情が声の表現としてでればと思う。バリトンの工藤博は脇を着実に固めていた。

1幕と2,3幕では、まったく場面が庶民的なところから宮廷へと変わるわけだが、おおむね皆達者に演技をしていた。フランス革命を背景にしても、血腥いところはまったくなく、こんな世話物狂言ができるのだという点でも面白い出し物である。

日本初演なので、オケや指揮についての批評は困難だが、逆に言えば、もたつくところなくすっと芝居の世界に入らせてくれたのは立派だと思う。

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コメント

大隅さんと内山さんのふぁんの者ですlovely
ドラマティックな役を、良くぞ歌いきって下さいました・・・という感じですねweep

投稿: operaview | 2010年1月17日 (日) 19時31分

operaview さん

ブログ拝見しました。写真撮影をなさっていたのですね。

大隅さんと内山さん、熱愛カップルという設定にふさわしい歌いっぷりでしたね。
大隅さんは、声にとても柔軟性があって、どの声域でも、またフォルテ、ピアノにかかわらず破綻のない表現で見事でした。
内山さんも熱演でしたね。オペラは音楽であると同時に、演劇でもあるので、容姿が立派ということも重要な要素であると思います。

投稿: panterino | 2010年1月17日 (日) 22時18分

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