クララ・ペタッチの日記
ムッソリーニの愛人だったクララ・ペタッチの日記が出版される(11月16日、Corriere della Sera).
クララ(クラレッタ)・ペタッチ(1912−45)は、1932年にムッソリーニ(1883−1945)と知り合い、1936年にその愛人となった。
今回、彼女の1932年から38年にかけての日記が Mussolini segreto (秘密のムッソリーニ)(Rizzoli, 521ページ、21ユーロ)と題して発売される。最初の数年は、葉書やメモだが、1937年10月からは、記述が詳しくなり、ムッソリーニの言葉を生々しく伝えている。
永遠の愛の誓いや、ムッソリーニの妻に対する恨み言(妻に長年裏切られていたと主張している)、異性関係の自慢(サヴォイア家のマリア・ジョゼがムッソリーニを誘惑しようとした)などはその信憑性を疑う余地がある。
しかしながら、政治的発言に関しては、ペタッチに対して自分の考えを曲げる必要はなかったはずである。ムッソリーニがクララに異性としていかに惹かれているかを赤裸々に述べた言葉を伝えている。1938年8月4日には、その20日前に人種宣言が出ているのだが、ムッソリーニは「私は1921年から人種(差別)主義者だった...イタリア人に人種の観念を与えねばならない」と言った。
また1938年10月8日には、ピオ11世が「霊的にはわれわれはみなユダヤ人である」と宣言したこと、ユダヤ教徒とカトリック教徒の間の結婚の承認を求めたことに怒っている。「この教皇が教会に対してなす害が君にはわかるまい...彼はすべてにおいて間違っている。われわれが同じ血が流れているだと!不吉な」と切り捨てている。
クララ・ペタッチの日記によれば、ムッソリーニはきわめて反ユダヤ的であり、反教皇的であったことになる。
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