ヴェローナのアレーナにマイク
ゼッフィレッリの案で、来夏からヴェローナのアレーナではオペラ上演にマイクを用いることが可能になる(11月10日、Corriere della Sera).
アレーナの総監督フランチェスコ・ジロンディーニによると、ゼッフィレッリは、マイクを使用しないのなら、演出をやらないと宣言したという。
来夏はゼッフィレッリは5つのオペラ、《トゥーランドット》、《アイーダ》、《蝶々夫人》、《カルメン》、《イル・トロヴァトーレ》の演出を引き受けているのだ。
オペラ界は割れている。バリトンのロベルト・フロンターリは、「あそこの音響は実に素晴らしい。マイクは無意味だ。ポップ歌手とオペラ歌手の違いは何になる?僕は、声を身体に響かせる方法を学んだんだ。マイクを使う傾向は、演劇からはじまった。映画やテレビの世界からきた俳優は声が届かないからだ」。
一方、指揮者のクリストファー・エッシェンバッハは賛成派だ。テクノロジーは進歩しており、トスカニーニが否定したころとは事情が異なるとしている。
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コメント
お久しぶりです。
この記事を元に、拙ブログでもこの話題を取り上げました。何卒ご了承下さい。
野外オペラにつきものの外部の騒音を問題とするゼフィレッリの言い分にも理はあると思うし、これも時代の流れ…なんて月並みなことも考えますが、「メロマニア」の立場としてはやはりマイク使用には抵抗があります。出演拒否という歌手が出てくる可能性はないのでしょうか。
投稿: なつ | 2009年11月18日 (水) 23時57分
なつさん
ご紹介といっそう詳しい情報ありがとうございます。
お書きになっているように、音響装置の質は大いに問題だと思います。
家庭用と異なり、場所が広いので、質を確保しようとするのは大変なことだと思います。
僕は、個人的には、パヴァロッティが武道館でマイクとスピーカ付きで歌ったコンサートに行って、やはり生で聴きたかったという強い欲求不満を感じた記憶があります。生の声という絶対的な質と、音量という量的な問題をはかりにかけていることになりますね。
アレーナは、言うまでもなく古代ローマの遺跡であり、彼らの音響設計の優秀さに感嘆する機会でもあると思います。
投稿: panterino | 2009年11月19日 (木) 08時36分
歌手の後ろは歌声が聴こえにくいので、円形野外劇場にマイクは適しているのかもしれません。
だとしてもオペラにマイクの使用は抵抗があります。
学生時代に何度か生の演奏を聴きに行き、歌手が持つ声の迫力と力強さに圧倒されました。
自分の身体が共鳴して感動したことを覚えています。
マイクを使ってしまうと、こういった共鳴現象も起こらなくなってしまいそうです。
人の声だけでは細かな表現ができないといった意見もありますが、
表現性と音量を兼ね備えたのがオペラであり、それを可能にしてし
まうのがプロのオペラ歌手ではないのでしょうか。
投稿: Raimondi | 2009年11月24日 (火) 01時57分
Raimondi さん
おっしゃる通りですね。生の声に圧倒されるという経験があってこそ、もう一度、もう一度と劇場に足を運ばせるのだと思います。
むろん、アレーナは、野外劇場なので、通常の劇場のようにはいかないでしょうけれど、古代ローマの遺跡が現役で使われ、しかも生の声だということの意義は、いくら強調してもしすぎることはないと思うのですけれどね。
投稿: panterino | 2009年11月24日 (火) 22時42分