« 《見わたすかぎり人生》 | トップページ | 《パ・ラ・ダ》 »

2009年5月 2日 (土)

《やればできるさ》

Works09_photo
《やればできるさ》(ジュリオ・マンフレドニア監督)を観た(有楽町・朝日ホール)。

1980年代のミラノが舞台。実話に基づいているのだが、バザーリア法が出来て、精神病棟が廃止され、患者たちが町へ、家族へと解放されていった時期の物語である。

バザーリア法は1978年5月に成立し、徐々に、精神病院や総合病院の精神科の病棟が閉鎖されていった時期である。

解放された患者の受け入れ先として協同組合が組織され、そこへ主人公のネッロがやってくる。彼は、市場原理を信じている当時としては異端の労働組合員であった。彼は、患者たちの根気や細部へのこだわりを活かすため寄せ木細工の事業を立ち上げる。ネッロはバザーリア法のことは何も知らなかったのだが、患者たちの中に人間性を認め、労働する能力を認めることで、はからずもバザーリア法の精神を体現化しようとする運動を開始することになる。

さらには、精神科医でバザーリア法の趣旨に賛同する医師と組んで、患者の投薬量を減らし、彼らの人間性回復をめざす。

しかし、道は平坦ではない。様々な事件、困難な事態が生じる。それをユーモラスに描いている。

《みわたすかぎり人生》でもそうだったが、この映画でも、扱いにくい素材を実に映画として、見事にエンターテイメント作品に仕上げている。

ネッロの私生活でのパートナーとの関係も、この映画を地に足のついたものにし、また、単なるメサイア・コンプレックス解消の映画ではないものとしている。

|

« 《見わたすかぎり人生》 | トップページ | 《パ・ラ・ダ》 »

コメント

こんにちは、僕もイタリア映画祭に参加しました。
ネッロ自身はそれほど精神障害に対する知識もなくて、ただ自分の信奉する原理に従って突き進んでいった結果、ああした展開を迎えた、というのが面白いところですよね。
しかも単なるエンターテインメントとしてだけではなく、実話をもとにしたドキュメンタリーとしても楽しめる、というのが良いところでした。

投稿: my_you | 2009年5月11日 (月) 22時04分

my_you さん

たしかにそうですね。薬の投与量を減らしたら、元気になりすぎて、女性を求めるというのも実話に基づいているんですね。

そうした実話が、観客が楽しめるよう調理されているところが見事ですね。

投稿: panterino | 2009年5月12日 (火) 00時59分

  う~ん。「やればできるさ」を是非見たいと思っているが、日本での上映日程が決まっていないとすれば、一体どうすればよいのか。DVDは発売されているのか。日本語の字幕スーパーはあるのか。
なんとしても見たいものだ。

投稿: | 2010年6月 5日 (土) 15時47分

DVDはイタリアでは発売されています。
ただし、字幕は、英語もしくはイタリア語のみのようです。
イタリアで発売されているDVDは、イタリア書房や文流、南欧図書などで注文することも出来ると思いますが、ご自分でインターネットを通じて、たとえば、Internet Bookshop Italia で注文することもできます。

投稿: panterino | 2010年6月 5日 (土) 22時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/144339/44865278

この記事へのトラックバック一覧です: 《やればできるさ》:

« 《見わたすかぎり人生》 | トップページ | 《パ・ラ・ダ》 »