レオパルディのリチェッタ
レオパルディ自筆のリチェッタ(レシピ、料理法)が出版された(9月18日、レプッブリカ)。
'Passero solitario'(孤独なスズメ)、'L'infinito' (無限)で知られる詩人レオパルディは通常ペシミスティックな詩人として知られているが、この本によってグルメであったことが判った。
Leopardi a tavola(Logo Fausto Lupetti Editore、pp.160, 18 ユーロ)は、ドメニコ・パスクワリエッロ(通称デーゴ)とアントニオ・トゥベッリによってまとめられた。
そもそもはナポリの国立図書館で手稿が発見されたことからはじまった。それは料理法(ricetta)が書きならべられていた。詩人レオパルディの手になるものだった。
レオパルディは、1833年から37年まで晩年をナポリで過ごした。彼は友人アントニオ・ラニエーリの客人となっていた。今回のリストには49の料理法が記されている。
トゥベッリによれば、レオパルディは《イタリア料理のガリバルディ》ということになる。有名な料理本を書いたペッレグリーノ・アルトゥージより半世紀前に、リグリア地方、シチリア地方、マルケ、ロマーニャ、ラツィオ、カンパーニャとイタリアの南北の広範囲におよぶ料理法を紹介しているからだ。
著者たちは、素材(食材)の名前も必ずしも今日と一致しないので、様々な調査をしたのであり、その結果がこの本となっている。料理名は、たとえばFrittelle di borragine, Zuppetta di Selleri, Ricotta fritta といったもの。
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コメント
panterinoさま、
早速入手いたします。感激と感謝。できれば、できるなら、レシピ試作ののち、訳したい、です。できるなら。ラニエーリのこと、ナポリで没したこと以外初耳のことばかり。急にイタリア料理が食べたくなりました。ありがとうございました!
投稿: giacomal | 2008年9月21日 (日) 13時54分
giacomal さん
思索的な詩人というイメージの強いレオパルディに、グルメな詩人というもう一つの横顔が加わるのも面白いですよね。人間の複雑さ、奥深さ。
単純に、170年前の様々な地域のイタリア料理が今日とどう同じで、どう違うのかも知りたいですね。僕も、日本語版、ぜひ読みたいです。翻訳なさること、期待しております。
投稿: panterino | 2008年9月21日 (日) 15時52分
panterino様、
お騒がせいたします。気にかかっていたことがありましたが、いま思い出しました。
ロートレック。レオパルディとロートレックの類似ということはいろいろな点で言われていましたが、この、グルメ。
ロートレックがやはりグルメで、レシピが紹介されたことがありました。つまらないこと、で、すみません。芸術家はグルメ、というのはよく言われることで、panterino様もたいへんなグルメでいらっしゃることと存じますが、ロートレックとレオパルディの類似点がもうひとつ増えましたこと、独りよがりで、感激しております。
お騒がせいたしました。
投稿: giacomal | 2008年9月21日 (日) 18時13分
giacomal さん
なるほど。芸術家が一般的に言えばグルメなのはわかる気がします。感受性と、味覚、視覚、聴覚など五感(あるいは第六感)は密接に関係していますものね。
イタリアでは、聖職者でも俗人でも、食べ物に対するこだわりが大きいのが当然という感じですね。
投稿: panterino | 2008年9月21日 (日) 20時32分