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2008年9月26日 (金)

映画 《Il papa di Giovanna》

Papa_di_giovanna プーピ・アヴァーティ監督の《Il papa di Giovanna》を観た。

以下、ネタバレとなるので、ストーリを知りたくないかたは読まないでください。

 

1930年代のボローニャが舞台である。シルヴィオ・オルランド(父)とアルバ・ロールヴァッヒェル(娘)の物語。父は高校の美術の教師、娘は同じ高校に通う高校生である。

この娘は、お母さんがコケティッシュであるにもかかわらず、野暮ったい感じなのである。その娘がある事件を起こし、裁判にかけられ、精神病院に入ってしまう。

母親は、娘を見放し、見舞いにもいかないが、父は娘との交流を続ける。その間に、ファシスト体制下で戦争が進展していく。

話は戦後の解放、およびその何年か後の母との再会で終わる。

まあ、こう書いてしまうと、味のない話に思えるが、それは僕の要約の仕方がそっけないせいなのである。画面には、1930年代の風俗、階級格差、ブルジョワの家にはお手伝いさんがいて、その住まいは、庶民とは段違いであったりする。 また、警察官の友人は、体制側なので、警察手帳を見せると、手にいれにくい物資が手にはいったり、映画館もただで入れてしまったりする。 この警察官は、ジョヴァンナの母に淡い恋心をずっと抱いている。夫と妻と夫妻の友人との関係は、向田邦子のテレビドラマ『あ・うん』に似ていなくもない。 シルヴィオ・オルランド演じる父は、精神病院の娘のもとへ通うが、その病院の様子も、現代とはまったく異なっており(現代では、イタリアでは精神病棟は、原則として閉鎖されている)、感慨深いものがある。 そういった風俗の差異は大きいのだが、ある意味で父娘の情愛というものは、数十年では変わるものではないのだろう。そこをオルランド、ロールヴァッヒェルの演技が見せる。ファシズム時代を扱っているという点では、これまでのアヴァーティ監督の作品と共通するが、観たあとの感じは微妙に異なっており、この作品の独自性が静かに迫ってきた。

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コメント

 panterino様、

 この映画をぜひ観たい、panterino様はイタリアでご覧になったのでしょうか、それとも日本で? どうしたら、北国の寒空のした震えながら生きているひとが観ることができるのでしょうか? 東京はイタリア文化会館もあり、羨ましいかぎり。
 なんとかして観たいものです。またぜひ書いてくださいませ。
DVDで入手できるとしたらぜひ入手したい。知恵がなく・・・悲しいことです。
 

投稿: giacomal | 2008年9月27日 (土) 12時53分

giacomal さん

はい、イタリアで観ました。この映画は、最近、封切られたばかりです。

日本で上映する予定があるのか、残念ながらわかりません。アヴァーティの映画は、ゴールデンウィークのイタリア映画祭で上映されることもありますが、この作品についてどうなるのかはわかりません。

1年ほど経過すると、少なくとも、イタリア語版のDVDは発売される可能性が高いと思います。(それはインターネットを通じて購入できます)。

今調べたら、動画サイトYouTube で Papa di Giovanna を検索したら、観られます!
ちょっとピンぼけで、字幕はありませんが、その1からその11まであるようですので、一部が観られるものと思われます。

投稿: panterino | 2008年9月27日 (土) 23時17分

 panterino様、

 ご親切にありがとうございました。You Tubeぜひ観ます。そしてーぜひ入手します。
最近映画からやや遠ざかり、この有様、です。これからーーよろしくお願いいたします。

投稿: giacomal | 2008年9月27日 (土) 23時35分

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