プローヴァ・ジェネラーレとチェーナ
7月1日午後7時から、シエナのカンポ広場で、第5試走(prova generale, お芝居でいうゲネプロに相当する言葉)が行われた。
勝ったのは、レオコルノ(一角獣)地区で、イアーダという馬である。騎手はスコンピリオ。
第五試走は、特別にプローヴァ・ジェネラーレという。他の試走と異なり、10頭の馬が走る前に、カラビニエーリの騎馬警官が、隊列を組んで、カンポ広場を走る。特に二周目は、剣を抜いて、前に突き出して疾走する様子は印象的で、広場の群衆も拍手喝采を惜しまなかった。騎馬警官のデモンストレーションは、7月2日パリオ当日にも実施される。
その後、各コントラーダでは、プローヴァ・ジェネラーレの夕食会(Cena della prova generale)が夜更けまで開かれた。
パリオの季節になると各コントラーダは、さかんに夕食会を催す。しかし最も参加人数が多いのはパリオの前夜に開かれるプローヴァ・ジェネラーレの夕食会である。
各コントラーダ(地区)は、特定の通りを交通をシャットアウトして、椅子と机をならべ、1000人あるいはそれ以上のコントラダイオーロ(コントラーダのメンバー)および旅行者が参加する。コントラーダの夕食会は原則として、お金さえ払えば、旅行者も参加できるのである。
プローヴァ・ジェネラーレの際には、演台がしつらえられて、その台の上にコントラーダの幹部(プリオーレ、カピターノなど)および騎手が並ぶ。騎手とカピターノが入場するときには音楽も高らかに鳴って盛り上がる。
各コントラーダは、国に国家があるように、コントラーダ歌(inno della contrada)を持っていて、それは起立して歌う。そのほか、パリオの歌が自然発生的にあちこちで、とびかう。一人が一節歌うと、集団でその後をつけていき、盛り上がるのである。
プローヴァ・ジェネラーレの際には、普段、他の町に住んでいてシエナおよび自分のコントラーダにご無沙汰している人たちも、自分のルーツを確認するかのように帰ってきて、このプローヴァ・ジェネラーレに参加する。
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