ヴィットリオ・ガスマンの詩
俳優ヴィットリオ・ガスマンの詩が紹介されている(6月22日、レプッブリカ)。
ガスマンは若い時にも詩集Tre tempi di poesia (1946)を出している。
今回は、夫人ディレッタ・ダンドレアが秘蔵していた彼のメモ、詩などの一部がレプッブリカで紹介されている。
以下にあげるのは彼がメモ帳(ノート?)に書いた「神へ」と題する詩である。
a Dio
Sempre Te chiamo quando tocco il fondo,
So il numero a memoria e ti disturbo
come un maniaco abbarbicato al telefono;
lascio un messaggio se sei fuori. Perdona
Perdonami di tutto. So che a volte
cancelli a qualche fortunato il debito
che tutti conte abbiamo. La bolletta
falla pagare a me, ma dimmi almeno
che non farai tagliare la mia linea:
ti prego, quando echeggera' quell'ultimo
e dolorante squillo, Dio-per Dio!--
non staccare:rispondimi!
神へ
いつも、心の底に触れるとあんたに電話をする
番号は暗記していて、マニアックに
電話に根が生えたようにあんたの邪魔をする
留守の時にはメッセージを残す。許して。
許してくれ、すべてを。時には
あんたが、幸運な者の借財を
われわれすべてが負っている借財を無しにしてくれると知っている。
電話の料金は俺に払わせてくれ。でもせめて、
俺との線は切らないと言ってくれ。
お願いだ。最後の痛ましいベルの音が
鳴り響く時、神よーーお願いだよ!ーー
切らないでくれ、応えてくれ!
(tocco il fondo は何かの極みに達することであるが、ここでは直訳してみた。per Dio! も、ちくしょう、などという時に使うが、これは神に直接訴えかけているので、上記のように訳したが、ニュアンス的にはののしる気持ちがあるだろう)
| 固定リンク


コメント
panterino様、
Vittorio Gassmanときいただけで胸躍ります。Gassmanオッカケを映像やインタネットの上でいたしました。演劇など、今なにを演じているのかなど、など・・・
詩作も!驚きました。嬉しいです! ほんとうに嬉しい。〈あんた〉の使い方、啓発されます。〈あんた〉とても良い。
よく考えれば、Vittorioが詩を書かないはずがない。よく考えれば。
新たに、かつての懐かしい世界に呼び戻されました。Vittorio 良いですねえ!
投稿: kudotomoko | 2008年6月28日 (土) 13時49分
kudotomoko さま
ガスマンは、先日ディノ・リージ監督が亡くなった時も、『追い越し野郎』をはじめその存在が話題になっていましたね。『苦い米』の悪役も、シルヴァーノ・マンガノとのからみを含め、忘れがたい印象を残します。
文学では、『神曲』の朗読がまとまって録画があるようです(一部は見たことがあります)。
未亡人は、メモ類も含め秘蔵していたようです。言葉が活きる俳優は、うちにクリエイティヴなものを秘めているのですね。
「神」を親友のように電話相手にするのは、贅沢?なことですが、ガスマンのアクの強い個性的な演技に影響されてか、「あんた」という言葉がすっと出てきました。
投稿: panterino | 2008年6月28日 (土) 16時13分
ヴィットリオ・ガスマンは三国連太郎と同じ年代に生まれた名優なので、1983年生まれの私にとってはカリスマ的存在です。
この前緒形拳の訃報を知った時は大変驚きました。
投稿: 台湾人 | 2011年3月 2日 (水) 11時28分
ガスマンは、映画に舞台に活躍した人でしたね。
しかもひと癖あって、こちらを考えさせる役者であったと思います。
投稿: panterino | 2011年3月 2日 (水) 17時09分
前略させて大変失礼とは存じておりますが、今回の東北大震災で日本各地に甚大な被害をもたらしたようですが、そちらの方は大丈夫でしょうか?
テレビで見ていると本当に心が痛みすごく残念に思います。
投稿: 台湾人 | 2011年3月14日 (月) 15時23分
台湾人さん
お見舞いの言葉、ありがとうございます。
私は、地震の時、たまたまイタリアにいました。東京の自宅は無事でした。
テレビや新聞で見るだけでも、どれほど恐ろしいことが起こったのかと驚愕せずにはいられません。どう受け止めたらよいのか、呆然としている状態です。
投稿: panterino | 2011年3月14日 (月) 23時42分