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2008年4月17日 (木)

固定資産税が廃止されると、市町村の財源はどうなるのか?

Ici 固定資産税が廃止されると、市町村の税収はどうなるのか、という記事がレプッブリカのフィレンツェ版に載っている(4月16日、レプッブリカ)。

ベルルスコーニは、総選挙後、初の記者会見で、最初の家に対する固定資産税(ici, imposta comunale sugli immobili) を廃止すると言明した。

ici はcomunale という言葉から判るように comune (市町村)に入ってくる税収である。IciとIrpef(個人所得税)が市町村に入ってくる税収なのである。

フィレンツェの場合、その歳入は1億4000万ユーロ、リヴォルノでは2250万ユーロ、ルッカでは2200万ユーロになるという。

フィレンツェの場合、固定資産税を全廃してしまえば1億4000万ユーロの税収がなくなるし、最初の家に限定しても1億1000万ユーロの歳入が消えると見積もられている。

プローディの最後の予算案で最初の家に関しては200ユーロの減税をする予定で、フィレンツェ市にとっては1000-1200万ユーロの歳入がなくなる予定だった。しかし、今回の減税策は桁がひとけた違う。

仮に、Irpef(個人所得税)の税率を1000分の0,3から0,8にあげても、2500万ユーロの増収で、固定資産税の減収分よりはるかに少ない額である。

ちなみに固定資産税が廃止された場合、フィレンツェでは一家庭あたり、330ユーロ(約5万円)の減税になる。

追記:この記事で、Irpefと言っているのは厳密には、addizionale comunale all'irpef で、市町村にはいる付加税である。この付加税(addizionale comunale)は、税率が低いものの住民は全員が払うようだ。Irpef自体は、収入によって税率が変わり、10%、20%という単位の税率(実際にはもっと細かい区分がある)であり、また国税である。

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コメント

固定資産を持たない者には厳しい方向転換ですね。
ベルルスコーニの政策が実現しない事を祈ります。

付加税にはaddizionale regionale all'lrpefと言う物もあります。addizionale comunale all' lrpef よりもずっと高いですね。これは州政府に行くのでしょうね。

投稿: andy | 2008年4月19日 (土) 04時16分

andy さん
固定資産税の問題、持たざる者にとっては、おっしゃる通り、どこかにしわよせがくるおそれがありますね。
固定資産税に関して、興味深いのは、南部でも80%が持ち家だそうです。
また、今回のベルルスコーニの減税策よりも前に、プローディ政権がすでに固定資産税は減税しているので、持ち家家庭の約40%はすでに税を払わなくて良くなっているんですね。ということで、さらに、固定資産税を減税するということになると比較的富裕層を優遇することになる、と4月18日のレプッブリカでは報道されていました。

addizionale regionale all'Irpef (州の付加税)の情報、ありがとうございます。おっしゃる通りだと思います。
付加税の税率は、自治体によって、異なるようですね。4月18日のコッリエーレ・デッラ・セーラには、プーリアの州知事、ニキ・ヴェンドラ(再建共産党)が、州の財政赤字を改善するために、年収(税引き前)2万8000ユーロ以上の人に0,1%の州付加税を導入したのだが、最低の税率(0,1%)にもかかわらず、非常に評判が悪かったと出ていました。左派に投票したのに、税金があがって生活が苦しくなった、という不満が出ていたわけですね。


投稿: panterino | 2008年4月19日 (土) 19時49分

いつも参考にさせていただいています。
フィレンツェにすんでいるのですが、道はぼこぼこで穴があいていて、事故が絶えません。そんなフィレンツェの歳入が減ったらどうなるのでしょうか????
しかもあの、ごり押しで決定した路面電車。これもおざなりになるのかと思うと、フィレンツェの街の道路がめちゃくちゃになりそうです。

良かったら私のブログ、遊びにいらしてくださいね。

投稿: sayaki-na | 2008年4月21日 (月) 01時40分

さっきのブログアドレス間違えました。こちらでお願いいたします。

投稿: sayaki-na | 2008年4月21日 (月) 01時46分

またまたブログアドレス間違えました。こんどこそこちらでお願いいたします。(汗)

投稿: sayaki-na | 2008年4月21日 (月) 01時50分

sayaki-no さん

コメントありがとうございます。
お返事が遅れてごめんなさい。回線が故障してしまいまして。。。

フィレンツェでも、道でこぼこですか?
これで、もっと産業がない(住民の収入が低い)ところにいったら、困るでしょうね。

コムーネ(市町村)の収入が減って、もし国が財政の手当をしないのであれば、住民へのサービスにどこかしわよせが来るとしか考えられませんね。

ブログ、これから拝見させていただきます。
フィレンツェ郊外にお住まいで、こちらに住んでらっしゃる方ならではの深い記事を読むのが楽しみですが、エジプトにお引っ越しになるのですね。どうぞ、お元気で。

投稿: panterino | 2008年4月24日 (木) 01時04分

固定資産税廃止に賛成です。そんなものがあるから、土地バブルがおきると家をとられるんですよ。投機をする人のために元からの住民が追い出される。これはおかしいですね。

固定資産税がなくなれば今家を持ってない人も買いやすくなります。ローンと固定資産税の両方を払うのは大変ですが、ローンだけになれば楽になりますからね。

投稿: ゆうか | 2008年6月 5日 (木) 22時11分

ゆうかさん

そうですね。固定資産税(ICI)は、廃止されることになりましたね。

今回の減税および景気対策は、固定資産税の廃止と、ローンの返済額の減額をセットでやったので、ローンを払っていた人にとっては朗報だったでしょうね。

投稿: panterino | 2008年6月 6日 (金) 02時31分

固定資産税は日本も廃止にするべきです。
自分で買った土地なのになぜ税金を払わなければならないのでしょうか。おかしな話です。
何でも国民から金をまきあげるとんでもない悪国家です。日本は。
はやく廃止されることを願います。

投稿: binbounin | 2010年4月16日 (金) 14時53分

日本における持ち家は固定の資産なのでしょうか?それとも負債なのでしょうか?
ある人は、日本のマイホームは高い固定資産税を支払い、耐久年数が30年程度の家。
10年経って売ったとしても、資産価値は低く、ローンと相殺される以上に損をすると言われています。
資産とはそれにより利益を得ることができるものだと言っています。そう考えるなら日本のマイホームのほとんどが、負債であり固定資産税の対象ではないと思われます。
行政サービスの対価であるなら、なぜ市県民税を徴収するのでしょうか?
これは家だけでなくマイカーでも言えることです。財産税はかなり問題のある税制だと思います。撤廃した方が、経済はよくなるように思えます。

投稿: | 2010年12月 4日 (土) 15時43分

なかなかむずかしい問題ですね。
ローンを払っている間は、マイホームといえど負債ではないかというのは心情的にはおっしゃる通りだと思います。ただ、自分が法律に疎いので、それがどれくらい不当なことなのかは判断しかねるところです。

また、イタリアのように固定資産税をなくしてしまえば、その分、相対的に貧しい人に対してその分の税金が上乗せになる気もします。行政サービスそのものを減らしてしまえば別ですが。

よくわかっていないので検討はずれかもしれませんが、所得税の累進課税とか財産税は、所得や財産の多い人には、それなりに税負担を多くしてもらおうという仕組みなのではないかと思っています。そういう趣旨であるとすると、ローンで苦しい人に余分の負担が降りかかってくるのはおかしいわけですよね。お役所としては、ローンの分は住宅ローン減税があるでしょ、ということなのでしょうか。うーん、全体としてどう考えているのでしょうね。

投稿: panterino | 2010年12月 4日 (土) 23時10分

イタリアは固定資産税が廃止になって住みやすさは豊かさはどうでしょうか?
イタリアのこの減税は画期的なことだと思います。不景気、少子化、高齢化、行政の肥大化と日本によく似ている状況のなか、どのような経済効果が出ているのか楽しみです。
推測するに、持ち家を持つ地方のお年寄りにとって老後の不安が無くなり、かつ不景気でしごとになかなかつけない若者が地元に戻り、親とともに住むという、核家族化から昔ながらのコミュニティという形になりつつあるのではないかと思います。
衣食住の住の部分の不安が無くなれば、お金は食や教育に流動し、地域に活力が出てくるのではないかと思います。
元々イタリアは食事に時間をかけて文化とたしなむ余裕のある国だったと思います。その背景にはファミリーという絆があって支えあっていたと思います。
今の日本ではそれができなく、税金は搾取され、税率ではそう高くないように言われていますが、集めた税金の金額は莫大なものです。(社会保障料も含めると多分アメリカを越え世界一だと思います。)日本の中間層の幸せ度は低下し、政府は無策のままです。
今イタリアは不景気だそうですが、日本と比べ幸せ度はどうなのでしょうか。私はイタリアはよくなると思っています。

投稿: | 2010年12月 7日 (火) 18時50分

ご質問ありがとうございます。
固定資産税が廃止になってイタリアが住みやすくなったのかどうかは、そういう記事があったかどうかも、申し訳ないのですが、あやふやで、なかった気がするのですが、僕の目をすり抜けていたのかもしれません。

一般的に言うと、イタリアの税負担率は、日本よりも高いのだと思います。消費税も約20%ですし。

おっしゃるように、家族の結びつきは日本より強いと思います。特に、日本の都市部と較べると、そうだと思います。

イタリアの問題の一つは、若年層の就職がきわめて困難で、いわゆる正規雇用を得ることがとてもむずかしいという点です。その結果、30代、40代でも親と同居せざるをえず、恋人がいても結婚できない(新所帯を持てない)人が多いという報道があります。

全体としての幸せ度は、日本はうろ覚えですが、先進国のなかでもかなり低かったという記憶があります。

投稿: panterino | 2010年12月 9日 (木) 21時29分

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