『バレリーナの恋人は、天使!?』


ベアトリーチェ・マジーニ著『バレエリーナの恋人は、天使!?』(長野徹訳、ポプラ社)を読む。
《バレエ・アカデミア》というイタリアのバレエ学校を舞台にしたシリーズものの第三作である。これまでに『バレエに恋してる!』と『きまぐれなバレリーナ』が出版されている。
主人公の少女ゾエは11歳。彼女の住む町に、有名な現代バレエ団のモミックスがやってくる。公演で子供の天使役のオーディションをする。誰が公演に出演できるのか、というのが一つの筋。
また、ゾエのクラスメートにアリアイという女の子がいて、しばらく学校を休んでいたのだが、復帰する。彼女は、おおやけにはされていないが、拒食症であったのだ。彼女をめぐる微妙な人間関係が、興味深く描かれていると思う。アリアイに親切な子もいれば、そうでない子もいるのである。
また、オーディションで誰が選ばれるかについても、ひとひねりある。
11歳でここまで考えるのかという気持ちと、いやいや、幼稚園児でもクラスメートに対して複雑な気配りをしているぞ(それを言語化できるかどうかは別として)という気持ちが交錯した。
前二作と同様、決してあざとくはないストーリー展開で、あっさりしているとも言えるのだが、こういう屈折した感情を抱いていたな、と自然にうなづかされる物語である。
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