《詩の住む街−イタリア現代詩逍遥》

工藤知子訳/著《詩の住む街ーイタリア現代詩逍遥》(未知谷)を読む。
現代といっても、かなり同時代に近い詩人が収められている。アルダ・メリーニ(1930ー )、マリーア・ルイザ・スパツィアーニ(19240− )、サンドロ・ペンナ(1906−1977)、アメーリア・ロッセッリ(1930−1996)、アンドレーア・ザンゾット(1921− )、マリオ・ルーツィ(1914−2005)の6人の詩が訳出されている。
どの詩人も、日本語で読む機会はほとんどないと思うが、おのおの独自の世界を持ち、充実した詩を書いていることがわかる。
イタリアの現代文学が翻訳されるのは、たとえば英文学にくらべるとずっと稀であるが、それが現代詩ともなれば一層まれで、皆無に近いといったほうがよいだろう。
その点だけでも、この本は大変に価値ある本と言えるだろう。訳文は、こなれた角のとれた日本語にすることはあえてせず、むしろイタリア語のレトリックを感じさせるものになっていて、新鮮であり、鮮烈な言葉、フレーズが次々に繰り出される。
第二部は著者のエッセイ。第三部は、著者のレオパルディ論が収められている。レオパルディ論も、あまりに宗教的で奇矯な母、慈愛に満ちた手紙を交換した妹との関係がわかり興味深い。
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コメント
いつも御文を興味深く拝見しております。勉強になります。とくに経済とか、不得手の分野が読み応えあり、毎日楽しみです。
公汎で深いご研究心も学ばされます。魅力の地イタリアについてさらなるご健筆をお祈りいたします。ありがとうございました。これからもよろしくお導きくださいますよう。深謝。
投稿: 工藤 知子 | 2008年5月 3日 (土) 10時38分
工藤知子さま
過分のお褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。
僕も、もともとは文学畑の人間なのですが、文学に書かれた背景を知りたい、知らねばと思っているうちに、あちこちに、首を突っ込むことになりました。
ブログを書くことで、新聞記事も読みっぱなしにならず、記憶媒体にもなり書き手の得ているものも大きいのですが、読者あってのブログです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: panterino | 2008年5月 5日 (月) 18時28分