ベルトーネ長官:ピオ12世とナチスの関係は、悪意ある伝説
ヴァティカンの国務長官タルチジオ・ベルトーネは、アンドレア・トルニエッリの著書『ピオ12世エウジェニオ・パチェッリ』(モンダドーリ、661ページ、24ユーロ)の出版記念パーティで、ピオ12世が「ナチズムに対して甘く」、ユダヤ人大量虐殺に対して「鈍感」であったとするのは、「悪意ある伝説」だと主張した(コリエレ・デッラ・セーラ、6月6日)。
ベルトーネ長官によれば、ピオ12世は「偉大で」、「実り多く」、「英雄的」人物であったという。
ベルトーネは、ピオ12世が、ユダヤ人迫害を前にして沈黙を守ったと非難されるのは、時代錯誤的で、的外れであると述べた。それどころか、迫害されるものの保護のために大きな慈愛の行為を推進し、ナチスから救うため、ヴァティカンの治安部隊にローマのユダヤ人を雇い入れさえした。
反パチェッリの言説は、ベルトーネによれば、1946年から49年にかけて、ユダヤ人社会およびソ連からやってきたという。そして、その原因は、パチェッリ法王がパレスチナ人に好意的な態度をとったからだとしている。
前述の伝記の著者アンドレア・トルニエッリは《イル・ジョルナーレ》紙のヴァティカンづき記者。伝記を書くにあたっては、ヴァティカンの公文書だけでなく、これまで、公開されたことのない法王の家族が所有している私文書にアクセスする機会を得ている。
これに対し、『ピオ11世、ヒトラー、ムッソリーニ』の著者エンマ・ファットリーニは、望ましいのは、このドラマティックな時代に生きた教会内のさまざまな人々の考え、視点や性格の相違に注意しながら、本格的な研究を続けていくことだとしている。
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