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2007年6月14日 (木)

「ヴェルディの生涯」

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テレビ映画《ヴェルディの生涯》を観た(イタリア文化会館)。

テレビ映画で本来は7回にわけて放送されたものなので、長さが630分もある。それを一日で上映するのであるから、見る方も根気と体力が必要である。僕は、私用で1時間半見損なった部分があるが、9時間分を見た。間に休憩が3回はいった。朝の9時半から始まり、終わったのは夜の9時半過ぎであったと思う。

監督は、レナート・カステッラーニで、同じくテレビ映画で「レオナルド・ダヴィンチの生涯」を撮った人である。ダヴィンチの方は、何度かNHKが放映したことがあるが、ヴェルディは日本初公開である。

オーソドックスな伝記映画で、時代順に展開していく。気づいたことをいくつかあげよう。

1.ヴェルディの最初の妻は、郷里での恩人バレッツィの娘マルゲリータであるが、この映画では、バレッツィのみならず、マルゲリータもヴェルディの才能を確信し、ミラノへ出ることを勧めたことになっている。

2.ヴェルディが音楽に目覚めたのが、旅回りのヴァイオリン弾きの音楽であったこと、10歳のときには教会のオルガニストをつとめていたこと。

3.学校に行き始めると、将来、聖職者になるか、音楽家になるか、進路に迷ったこと。

4. 二番目の妻ストレッポーニは、バレリーナの C.フラッチが演じていた。女優としてまったく見事であった。ストレッポーニの生涯は、椿姫と重なるところが多いと暗示はされるのだが、制作されたのが1982年であるためか、それがどういうことなのかは、歌手仲間での不倫以外は、具体的には示されていない。ヴェルディと一緒に暮らすようになってからも、ストレッポーニとその子供との関係がどうであったのかは描かれない。

5.リコルディ(楽譜出版社)や台本作家とヴェルディとの関係が、厚みをもってしっかりと描かれている。

6.1848年パリ・コミューンの際に、フランスに滞在していたことなど、当時の政治状況、あるいは、イタリア統一がなってから国会議員として登院していたなど、政治状況とのからみが具体的にわかる。ヴェルディが生まれたときにはパルマ地域は、パルマ公国で、ナポレオンの妻マリア・ルイーザの統治下にあったことも、小学校での一場面に巧みに埋め込まれている。

7. ヴェルディは自分の出自にこだわり、農民、農家としての生活に後半生、深くこだわりつづけている。
 
8. ボヘミア出身のソプラノ歌手テレーザ・ストルツとヴェルディ夫妻は親しく交際しているが、ヴェルディとストルツがどこまで親密であったのかは薮の中である。

こまかな技術的なトラブルはあったが、こういう大河ドラマ的に長時間で生涯の背景、エピソードを見ると、ヴェルディのオペラを聞く喜びもいっそう増すと思う。貴重な機会を提供してくれた日本ヴェルディ協会、イタリア文化会館、読売新聞、RAI に感謝。

今回の上映は、英語版であった。将来的希望としては、RAI が中心になって作ったのであるから、イタリア語版もあったはずだと思うし、それがDVDで市販されることを期待したい。

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