《マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶》
《マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶》(マルオ・カナーレ、アンナローザ・モッリ監督)を観る(イタリア映画祭2007)。
プレミア上映で、初夏から渋谷のBunkamuraル・シネマ他全国ロードショー。
マストロヤンニをめぐるドキュメンタリー映画で、バルバラとキアラという異母姉妹、映画監督、スタッフらへのインタビューと、記録映像、出演映画の断片が交互に映し出される。
ここからネタバレです。
マストロヤンニの人柄が気取らない、スターぶらないということはすべての人が異口同音に述べていた。それはフェッリーニが巨匠ぶらないことにも通じていたろうし、そういう人間性が共通していたこともあってあの二人は気があったし、信頼関係があったのかもしれない。
電話魔であったことも、皆が証言している。それがどんな電話、誰への電話かが気になるところだが、ヒントを与えてくれるのは、脚本家のスーゾ・チェッキ・ダミーコのみで、彼女はマルチェッロは自分のうちによく電話をしにきた、それは構わないのだが、自分を巻き込むのはやめて欲しかったという。「今パリで・・・」などと嘘の証言を彼女にさせるのである。
もう少しこういったお茶目なというか、本人にとっては必死の工作の話を聞きたかったが、むしろ彼の人間性の素晴らしさと演技方法の自然さが語られる。脚本の台詞はきっちり頭にいれず、役柄をきちんと飲み込んで、場にのぞむのである。
二人の娘のインタビューは、やはり、娘にとっての父親がどういうものであったのかということが一つ一つのエピソードにこもっている。バルバラの(マストロヤンニ出演)作品の好みも興味深い。なぜその作品が好きかという理由がファンとはまったく異なるのだ。
全体としてはちょっと突っ込みが足りない気もするが、心の芯が少し温まる映画である。
| 固定リンク


コメント