《星なき夜に》
《星なき夜に》(ジャンニ・アメリオ監督)を観た(イタリア映画祭、2007)。
イタリア人技術者と中国人女性通訳者が、中国各地を製鉄所を捜してまわるロードムービーである。
セルジョ・カステリット演じるヴィンチェンツォ・ブォーナヴォロンタ(姓が善意という意味であり、ストーリーが寓意的なことが暗示されている)は、ジェノヴァの製鉄所の整備技師。
中国の代表団が買い付けた中古の高炉に欠陥部品のあることに気づき、自ら改良した部品を届けようと中国に渡る。そこからは、ロードムービーになる。
大都会からはじまって、内陸部に行くにつれ、ふだん僕らがほとんど眼にしない貧しい庶民の中国の生活が明らかになる。ヴィンチェンツォは部品を届けるこだわりは捨てないが、観客として見ていると、この広大な混沌とした現代中国においては、部品の一つや二つに欠陥があろうがあるまいが、たいした違いではないと思わせられるほど、都市部の高層ビルと内陸部、さらにはモンゴル自治区の建造物の格差は大きい。
最初は、うちとけぬ中国人通訳とイタリア人技師の間に、しだいに心が通っていくのは、ある意味で予想通り。
中国が、こういう貧しい暮らしを正面から見せるようになったのは、まだら状とはいえ、豊かな部分が出てきたからではないかとも思った。映画としてのインパクトと、中国の現状が与えるインパクトを切り離し区別して評価することが困難な作品である。
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